消防訓練の重要性2006年10月東京海上日動火災保険株式会社2目次はじめに3なぜ初期動作が大切なのでしょうか?4火災のメカニズム非常時に相対したとき6人間の行動それでは、何が必要なのか?8緊急時対応計画緊急時対応組織訓練の有効性は?14訓練の実施方法訓練実施の際の留意点訓練の具体的実施要領は?17消火訓練通報訓練避難訓練総合訓練3火災時に、適切な対応をとることは、被害を局限するだけでなく、事故後の処理にも重要です。本資料では、緊急時対応、緊急時組織の基本についてご説明致します。はじめに4なぜ、初期動作が大切なのでしょうか?5火災が発生した際、数分間のうちに適切な対応がとられませんと、不必要に拡大してしまいます。FIREDAMAGEPROGRESSIONCURVE(NOTTOSCALE)火災のメカニズム6消火器で対応可能な火災は、状況にもよりますが、燃えている面積が1~2㎡程度までであり、それを超えた場合、消火栓などでなければ、制御は難しいといえます。7非常時に相対したとき8火災などの非常時に遭遇した場合、全ての人間が冷静に行動することは不可能であるといえます(いわゆるパニック状態に陥ることもあります)。一方で、有事の際には、素早く、的確に対応することが、大変重要です。このような状況における対応を確実なものとするためには、訓練を実施するのが、最も有効であるといえます。人間の行動9それでは、何が必要なのか?10火災発生時の役割分担を明確に定める。行動要領、責任の所在を明確にする。緊急時対応計画を定める際には、以下の点に留意が必要です。火災は、いつ発生するとも限りません。いつ発生したとしても、的確な対応ができるようにしておくことが大切です。緊急時対応計画1.消防組織は、夜間・休日であっても機能するように規定することが望まれます。2.エマージェンシーコーディネーターは、非常時には中心的な役割を果たします。この人間の権限についても明確に定めておくことが必要です。-非常時の機械設備停止命令-設備などへの注水許可命令-公設消防への情報提供など3.エマージェンシーコーディネーターが不在の場合の代理権限者についても決めておくことが望まれます。11緊急時対応組織上記緊急時対応計画に沿って活動する組織を用意します。以下の役割を持ったチームを編成するのが標準的といえます。なお、チーム構成員が1名の場合、その代理者まで決めておくことが必要となります。-火災発生時の社内への連絡(館内放送、避難の指示、必要セクション・担当者への連絡)-マネジメントへの連絡-社外関連機関への電話連絡(消防署、警察署、病院など)連絡チーム連絡チーム初期消火チーム初期消火チーム-消火器の使用-消火栓の使用-可燃物・危険物の除去-ドアの閉鎖(火災拡大防止)12避難誘導チーム避難誘導チーム-避難者の援助(負傷者、妊婦などの介助)-リフトは使用させない-各職場から適切に全員が避難できているか確認緊急時対応組織つづき非常品持ち出しチーム非常品持ち出しチーム-重要な物品については、予め洗い出しておき、非常時には持ち出せるよう担当を決めておきます。救護チーム救護チーム-負傷者の応急手当-病院への移送13セキュリティチームセキュリティチーム-非常時のセキュリティ全般について関与します。(周辺の道路整理、構内のセキュリティ確保など)緊急時対応組織つづき広報チーム広報チーム-場合によっては、社外に対して事故の概要等発表する必要が生じることもあります。その場合に対応するチームです。いずれにしても、まずは人命安全を重視した活動になります。14訓練の有効性は?書面の計画を用意しただけでは、適切な対応が可能になったとはいえません。実際に訓練を実施することで、確実なものとなり、また計画の中に潜在している問題点が明らかになってきます。15-全員参加の訓練-セクション毎の訓練-選抜メンバーによる訓練-シフト毎の訓練-自衛消防隊による訓練-責任者による机上訓練訓練の実施方法訓練の実施方法には、上記の通り様々な方法がありますが、日常業務との兼ね合いの中で、上記を組み合わせ実施することになります。最終的な目標は、全従業員に有事対応のあり方について理解を得ることです。16訓練を実施することで顕在化する問題点もあります。訓練実施後は、問題点の洗い出し、その改善策の検討、フィードバックが大切です。また、訓練実施の際には、時系列に何をすべきか明確に定めて実施することが肝要です。訓練実施の際の留意点-避難時間に必要以上に時間がかかっていないか。-通路に避難障害となるようなものはないか。-扉の開閉に障害はないか。-妊婦などの介助は適切に行えるか。-避難後の人数確認は適切に行えるか。-夜間の非常時対応に問題はないか。-消火設備の配置に問題ないか。など17訓練の具体的実施要領は?標準的な実施要領をご紹介致します。18消火訓練1.火災の想定を行う。-出火場所-燃焼物-延焼拡大範囲-避難を要する人の数、場所2.消火活動を行う。-火災の想定に基づき必要な消火設備の操作を行う。3.防火区画を構成する。-防火戸、防火シャッターを閉鎖する。191.火災の想定を行う。-出火場所-燃焼物-延焼拡大範囲-避難を要する人の数、場所2.火災を周囲の者に知らせる。3.所定の場所に連絡する。4.消防署へ連絡する。5.火災を全館へ知らせる。-非常警報設備の鳴動-放送設備の使用通報訓練201.火災の想定を行う。-出火場所-燃焼物-延焼拡大範囲-避難を要する人の数、場所2.避難の指示を行う。3.避難誘導員の配置を行う。(通路角など)4.誘導を行う。5.非常口を開放する。6.機械排煙を活用する。7.自然排煙を活用する。8.避難を要する者の確認を行う。9.消防隊へ情報を提供する。-逃げ遅れ者の有無-負傷者等の有無避難訓練211.火災の想定を行う。2.火災を周囲の者に知らせる。3.所定の場所に連絡する。4.消防署へ連絡する。-所在-建物名称-出火場所、燃焼物など5.火災を全館へ知らせる。6.避難の指示を行う。7.消火活動を行う。8.避難誘導員の配置を行う(通路角など)9.誘導を行う。10.非常口を開放する。11.防火区画を構成する。12.機械排煙を活用する。13.自然排煙を活用する。14.避難を要する者の確認を行う。15.消防隊へ情報を提供する。総合訓練