第34回原子力安全委員会速記録平成21年6月4日(木)原子力安全委員会(注:この速記録の発言内容については、発言者のチェックを受けたものではありません)1第34回原子力安全委員会臨時会議平成21年6月4日(木)午後2時00分~内閣府742会議室議題(1)中部電力(株)浜岡原子力発電所4号機のタービン建屋における作業員の障害の発生に関する原因と対策について(2)使用済燃料管理及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約第3回検討会合の結果について(3)「東京電力株式会社福島第二原子力発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号及び4号原子炉施設の変更)に係る安全性について」に対する意見募集結果について(4)その他配付資料(1)中部電力(株)浜岡原子力発電所4号機のタービン建屋における作業員の障害の発生に関する原因と対策(2)使用済燃料管理及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約第3回検討会合の結果について(3)「東京電力株式会社福島第二原子力発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号及び4号原子炉施設の変更)に係る安全性について」に対する意見募集結果について2午後2時00分開会○鈴木委員長ただいまから第34回原子力安全委員会臨時会議を開催します。最初の議題は、「中部電力(株)浜岡原子力発電所4号機のタービン建屋における作業員の障害の発生に関する原因と対策について」です。本件に関しまして、原子力安全・保安院森下事故故障対策室長から説明をお願いいたします。○説明者(森下事故故障対策室長)それでは、資料第1号と事業者からの報告書に基づいてご説明いたします。中部電力の浜岡4号機のタービン建屋で作業員の方が負傷されたという事象ですが、4月22日に発生の報告がありまして、6月3日に原因と対策について報告を受け取りました。保安院のニュースリリースの2ページに本件事象の概要が参考で書いてあります。浜岡4号機は定期検査中ですけれども、4月22日にタービン建屋の3階で蒸気タービン付近で保温材を取り付ける作業をしていた作業員が、別の事業者ですけれども、遠隔で実施した試験により作動した弁の駆動部に左の足の甲を挟まれ、負傷して入院治療ということでございます。当時の現場の状況が事業者の報告書の10ページ、11ページに書いてありますが、負傷の事象が発生した当時のタービン建屋の状況が左側の状況で、◎で書いてあるのが、保温材の作業をするA社という会社のこの時の人員配置でございます。それからもう一つ、この弁の動作試験をする事業者が、これは右側にあります原子炉建屋の制御室で遠隔操作をする。1名、現場の方で低圧タービンと書いてある下の方に▲が付いておりますが、現場の状況を確認するという人がいたという状況でございます。こういう状況でございましたが、このB社の方の関係者以外の立入禁止という措置が不十分、それから現場にいたこの方の現場の監視が不十分であったこと等によりまして、右側に発生時の足が挟まれた状況が再現されておりますけれども、レバーが遠隔操作でおりてきたことによって挟まれたと。被災時の保温材の取り付けの方の作業の体勢がこの漫画っぽい絵でかいてございます。それで、右下に「EHCシミュレーション試験中関係者以外立入禁止」と、現場にこのような立て札がありましたけれども、保温材の作業員は自分たちも関係3者だと思ってこの場にいたという状況です。まず、直接の対策といたしましては、26ページに写真が出ておりますけれども、足場が悪いということで挟まれたということで、保護金網を取り付ける、それから作業床を取り付けるということで、この黄色いところに作業員の方が立って、下の方の足場の悪いところに足を踏み入れないようにしてやるということでございます。しかしながら、どうしてこのような作業が行われてしまったかということが、27ページの方になっております。これは、左側が請負会社、それから中部電力というそれぞれの責任、誰がやるかという横軸の下に、定検の準備段階から作業の前日、作業の当日までの段取りを書いております。ポイントは、⑤aと書いてあるところが1つ、工事着工前の工事要領書の打合せというのを請負会社と中部電力でやることになっておりますが、この時に、右側の問題点の⑤aの2つ目の●でございますけれども、遠隔操作による作動時の注意事項を工事施工前の確認項目として定めていなかったということで、安全に対する配慮項目として落ちていたと。また、作業の前日には、薄い緑色のところになりますけれども、日々工程会議ということで、これは、中部電力と請負会社が集まって毎日、翌日の作業について、作業の干渉とか立入禁止とかという規制事項について確認する仕組みになっております。これは、元請会社が作った作業予定表とか規制連絡表というものが出されて、それをみんなで確認するというところでございますが、今回の場合、右側の問題点の②と③でございますが、規制連絡文書が発行されていなかった、それから作業予定表への規制事項の記載がされていなかった、漏れていたということで、結局、作業の当日はツールボックスミーティング、これはA社、B社とも行っておりますけれども、遠隔操作に対する配慮事項が抜けたままの状態であったということでございます。ちなみに、ツールボックスミーティングの内容については19ページに簡単にまとめてございます。横表になってございますが、A社というのは保温材の工事をやるところですけれども、時系列の34という番号のところですけれども、直前に保温材取り付けの時の挟まれ等の注意、工具の落下、突起物、廃棄物処理というのは確認しておりましたが、遠隔で操作が起きる場合というものは入ってい4ない。それから、35番の方にはB社のTBMのことが書いてありますけれども、ここに書いてあるような事項の確認であって、本件に対するような確認は行われていなかったということです。また、補足といいますか、本件の直接の原因ではないんですけれども、3ページに予定外の作業ということで書いてありまして、本件保温材の取り付け作業というものは、当初から少し前倒しで作業が開始出来るという情報が直前に入り、ルールどおりであれば、作業予定表にこの工事を記載して日々の工程会議の方に提出されるところが、失念していたと。被災者を含む作業員に対して作業実施の指示が予定表を確認しないまま出されていたということでございます。それからまた、今回の作業が少し特別な状況にあったというのが事業者の6ページに書かれておりますが、通常この遠隔のシミュレーション試験はこれまでも毎定検行っておりますが、事故は起きておりません。立入禁止標示も従来と同じものをしておりましたけれども、今回の定検では、電気油圧式タービン制御装置の制御盤の更新工事を一緒に行っておりまして、これが特殊でございまして、従来の定検では夜間にこのシミュレーションをやっていたものが、今回は昼間に実施されて、それで作業が保温材と干渉してしまったということでございます。それで、事業者の方の対策でございますが、保安院のリリースの1ページ目にもどっていただきます。まずは、立入規制の内容を明確にするとともに、立入禁止区域の設定、監視人の配置を徹底する。また、協力会社との事前打合せ時に、遠隔操作における機器操作時の安全措置の記載を徹底する。それから、作業環境改善のための設備対策として、先ほど申し上げた金網等の設置、足場を良くするということでございます。それから、2ページ目でございますが、定期点検全体工程表に保温取り付け作業を新たに記載する。これは、今回の事象が起きて確認したところ、従来、保温材の取り付け作業はずっと行われているので、マスター工程には反映されていなかったということです。今回新たに、いついつの期日にどの場所で保温材作業が行われているかということを記載することにしまして、中部電力として作業の干渉状態が把握出来るように変えるということです。その作業表を基に作業指示書を作成することで、作業の干渉を中部電力としても把握するようにするというこ5とです。保安院の対応でございますが、中部電力から出された原因と対策に係る報告書について、この推定原因、対策は妥当と判断しております。今後、事業者が行う再発防止対策について、検査で確認していきたいと思っております。INESの評価レベルは対象外でございます。以上です。○鈴木委員長本件に関しまして、ご意見、ご質問がありましたらお願いします。久住委員、どうぞ。○久住委員事業者の報告書の12ページ、添付資料の診断書を拝見いたしますと、退院されて仕事にもどられたとしても、歩く時等にバランスが非常に取りにくい状況にあるのではないかなと心配されますけれども、もし作業にもどられるようでしたら、その点を十分配慮していただきたいと思います。それから、その10ページのところに、現場監督者というのがいたにもかかわらず、ちょうど死角になっていたのでしょうか、不運な事故になってしまったということなんですけれども、この現場監督者というのは、かなりいろいろな作業の状況を把握した人が監督者にあたるのでしょうか。それとも、一応この全体を見ているというか、見ているというのは変な表現ですけれども、どういう方があたるのでしょうか。○説明者(森下事故故障対策室長)10ページの左下にタービン全体の写真がございますが、Dのところにいると、この反対側のAのところは見えない状況なので、時系列は省略しましたけれども、午前中の時にはぐるっと回って見ていたと。この直前に、午後の時に頼まれた方は、ちょっと経緯を見たら、臨時でちょっと代わってと言われて入っておりまして、その点でもこの不十分な確認の要因になったのではないかと思っております。○久住委員中部電力の方で全て作業環境を把握すると言われても、実態的にはいろいろなところでいろいろな作業がやられていて非常に難しいと思いますので、やはり、その現場で情報交換といいますか、お互いによく理解し合うことが重要かと思いますので、是非その点もご指導いただければと思いました。○鈴木委員長他には。早田委員、どうぞ。6○早田委員ページングみたいなものがあったのかどうかというのをちょっと気にして見ていましたら、4ページのところに書いてあるんですけれども、これを読むと、その時にページングがあったのかどうかはよく分からないんですが、いろいろ書類とか手続とかが完備していても、やはり最終的にはページングで、これから物が動くとかというのがあれば避けられたかなと思ったんですが、ここでは実際にはページングがあったのでしょうか。○説明者(森下事故故障対策室長)それについてもちょっと事業者から話を聞きまして、ページングはありましたが、そもそも、はやはり日々の作業を始める前にそういう注意事項を確認しておかないと、現場で流しただけでは作業者の中で流れていってしまうということで、ページングの意義と目的についても事業者の方から再確認いたしました。○鈴木委員長他にはよろしいですか。これは、中部電力の報告書でも「人身災害」という表現を使われていますし、こういう事故が今後起きないようにしていただかなければいけないと思いますが、保安院のINESの評価においては評価対象外だということにも明らかなように、いわゆる原子炉の安全にかかわる事象ではないんだと思いますけれども、これは前に伺ったかもしれませんが、この原子炉等規制法第62条の3の規定に基づいて報告があったというのは、この62条の3の規定ではどういう意味でこれが報告事項なんですか。○説明者(森下事故故障対策室長)原子炉施設に起因して人の障害が発生した場合というのは、法令報告の対象になっております。○鈴木委員長それでもう規制法というものが、原子炉の安全にかかわらないことであってもそういう報告を受けると。いわゆる労働災害上の規制上はどうなっているんですか、これは。○説明者(森下事故故障対策室長)本件については、労働安全法の方でも当