日本机械学会志

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592日本機械学会誌 2007.8 Vol.110No.1065─26─7・1 科学技術の発展とともに,流体工学の学術分野でも従来の基盤的研究課題のさらなる深化と,流体現象の複雑性と多様性に富む工学的研究課題への挑戦が展開されている.とくに,最近の重点研究分野とされるエネルギー,ナノ,バイオなどに関連して,時空間の多重スケールの諸問題に関心が注がれ,それらの解析手法やメカニズムの解明,応用への展開,短時間微小スケールの計測技術などに大きな進展が見られる.したがって,流体工学のこれからの動向として,流体融合領域での基礎と応用の研究が重要性を増すものと思われる. ここでは,あらゆる流れに内在する根本的課題の「乱流」,産業や人間環境の拡大に関係する「圧縮性流れ」に加えて,流れの機能性を追求する「機能性流体」,流体融合分野の「生体内の流れ」,流れの本質を抽出するための「可視化情報」の各分野に焦点をあてて,2006年の研究動向を記している.なお,2006年度の「水力機械」,「空気機械」のおもな実績については,ターボ機械協会発行の会誌「ターボ機械」2007年8月号またはターボ機械協会ホームページ()を参照いただければ幸いである.〔井小萩利明 東北大学〕 7・27・2・1 近年の計算機の高度な発達により高レイノルズ数のDNS(DirectNumericalSimulation,直接数値計算)が可能となり,その恩恵に浴して理論的研究の検証が可能となった.乱流現象は本質的に複雑過ぎて捉えどころがない現象であったが,1941年にKolmogorov(1)が局所等方性などいくつかの簡単な仮定を置くことで乱流のエネルギースペクトルの性質が説明できることを示したことで道が開けた.その後,間欠性を考慮した補正(2),マルチフラクタル性(3)の発見など長い年月を経て乱流を理解しようとする理論的な研究は発展してきている.しかしながら理論の検証が難しいという大問題があった.乱流の本質を研究しようとする場合,現象を単純化して取扱うことが多く,しばしば一様かつ等方的な場が仮定される.しかし,そもそも自然界においてそのような乱流はほとんど存在しないし,実験室において作り出すのも難しい(4).これは,乱流現象のほとんどがせん断流において発生し,それは一様でも等方的でもないからである.また乱流理論の普遍性は,外部からのエネルギー供給を受け取る大きなスケールの運動と粘性の効果が顕著になる小さなスケールの運動とのスケール差,すなわちレイノルズ数が十分に大きいことが前提となるが,実験室において十分に大きなレイノルズ数の流れを作り出すのは困難で,特殊な工夫(5)が必要となる.自然界を見渡せば十分に大きなレイノルズ数の流れは容易に見つかるものの,実験条件をコントロールすることが難しいだけではなく,測定自体が困難を極める.また,得られるデータも少数の観測点における速度変動のスペクトルなどに限定されてしまう(6). これに対して数値計算では,周期境界条件を用いることで一様等方的な場を容易に設定でき,流れ場のあらゆる場所で速度,圧力等の解析に必要なすべてのデータが得られるという利点がある.数理モデルに頼ることなくナビエストークス方程式を直接解くDNSにおいては,十分に高いレイノルズ数が得られないという問題を長年かかえてきたが,地球シミュレータ(7)など世界最高速のスーパーコンピュータを駆使することで,理論検証に用いることができるレベルのレイノルズ数計算が実現できている(8).このため従来できなかった乱流理論の検証が可能となりつつあり,CFD(ComputationalFluidDynamics,数値流体力学)という極めて強力な道具を獲得したことで,今後の乱流の理論的研究に大きな発展が期待されている.たとえば,数値計算(9)により明らかとなった「乱流は細かい繊維状の渦構造(要素渦)の集合体」という乱流像は,従来の乱流の概念をくつがえすものである.2006年9月には名古屋大学において“ComputationalPhysicsandNewPerspectiveinTurbulence”のテーマでIUTAMシンポジウムが開かれ(10),最新の乱流研究の成果が披露された.7・2・2 摩擦抵抗低減は常に重要な問題であるため乱流境界層に対する関心は高い.Klineら(11)に始まる組織的構造に関する研究は,初期の風洞実験一辺倒からLES,DNSによる数値計算に重心が移動したが,目標とされた大幅な抵抗低減はいまだに実現していない.乱流境界層中には流下してくる大規模渦構造(12)と壁面近傍のストリーク構造という2つの注目すべき構造があるが,両者の関係についてはまだ議論が続いている.ストリーク構造とは壁面近傍において速度の速い/遅い領域が主流方向に細長く伸びて存在する構造を指す.乱流境界層におけるストリーク構造の役割が従来考えられてきた以上に大きい可能性もあり,風洞実験において人工的にストリーク構造を作り出しその安定性を調べた研究(13)などが注目される. 制御に関しては,先行したアメリカに対抗する形で日本においてもMEMS(MicroElectroMechanicalSystems)技術を活用することで乱流の構造を制御し抵抗低減を図る意欲的なプロジェクト(14)が推進された.制御システムに関わる一連のデバイスの開発を通して,数値計算による制御方法のシミュレーション技術の向上やマイクロセンサ類の応答特性の改善など大きな成果が得られ,大きくはないものの摩擦抵抗の低減効果も得られている.今後は,制御システムの高度集積化や高レイノルズ数における効率の良い制御アルゴリズムの開発,効率的なアクチュエータの開発などが課題である. 数値計算によって乱流境界層を研究しようとする場合,計算機能力の限界に起因するレイノルズ数不足の問題,計算領域が十分に大きく取れないといった問題をかかえる.しかしそれを逆手に取って,乱流が維持されるぎりぎりの大きさの小さな領域だけを対象とした計算を行い,その箱庭的計算領域(Minimalchannel)(15)で起こる現象を調べる試みも盛んに行われている(16)(17).自由度に制限があるものの乱流は維持されているため,本質的に重要な現象が明瞭な形で出現することが期待できる.問題はMinimalchannelで観察される現象が,より自由度の大きい実際の乱流境界層中でも存在しているか否かである.河原ら(18)はこのMinimalchannel内の流れに見られる周期性に関して理論的な解明を試みている.これは組織的構造が準周期的に出現する理由を説明する答えとなる可能性を有しており,この研究の今後の発展が期待される.2005年京都において“SymposiumonElementaryVorticesandCoherentStructures:SignificanceinTurbulenceDynamics”のテーマで開かれたIUTAMのシンポジウム(19)において,注目すべき研究成果の発表が数多くあった.〔福西  祐 東北大学〕 7.日本機械学会誌 2007.8 Vol.110No.1065593─27─7・37・3・1 産業用プラズマ流体は,雰囲気圧が大気圧近傍から10−5気圧程度の圧力に応じて熱プラズマ流と低温プラズマに大別され,高エネルギー密度,変物性,化学的高活性,電磁場制御性等,多くの機能性を有する流体である.近年では,マイクロプラズマの基礎研究や大気圧非平衡プラズマ流の環境・医療への応用研究が活発に展開している.(社)日本機械学会(以下,本会)流体工学部門においても,特にプラズマ流体の機能性に特化して,本会英文誌特集号(20)と機能性流体工学の先端融合化に関する研究分科会成果報告書(21)を発行した. 最近のトピックスであるコロナ放電,グロー放電,誘電体バリア放電で発生する大気圧非平衡プラズマ流は,低温で化学反応性を有することから環境・エネルギー問題,医療・バイオ,材料プロセスなどへの応用が進められている.環境・エネルギー問題では,排気ガス中のNOXの分解(22)や粒子状浮遊物質の浄化(23),シックハウス症候群の要因とされているVOCの分解(24),空気清浄器のC2H4の分解(25),燃料改質・水素製造(26)などが,また医療応用では滅菌法の開発(27)や滅菌機構の解明(28),材料プロセスでは表面処理による接合強度向上(29),クリーニング(30)などが,航空分野ではプラズマアクチュエータによる流体制御(31)が行われている.これらの放電現象,化学反応場,流動場の物理現象の解明に向けた計測方法の開発や数値解析も報告されている(32).〔西山 秀哉・佐藤 岳彦 東北大学〕 7・3・2 MR流体(Magneto-RheologicalSuspensions,磁気粘性流体)やER流体(Electro-RheologicalFluids,電気粘性流体)も含めた機能性流体の現状と今後についての展望がなされている(33). MR流体は,磁場下で磁気分極する強磁性体の数μmサイズの微粒子を分散させた液体で,50~100kPaと非常に大きい降伏せん断応力を発生するのが特徴である.現在,アメリカLord社から年間数100tのオーダのMR流体が生産・販売されている.新規なMR流体素材として,ナノ粒子とミクロンオーダの粒子を混合したMR流体(34),超分子MRポリマーゲル(35),ゴム中に強磁性体粒子を分散させたエラストマー(36)などが開発され,それらの磁気レオロジー特性が検討された.また,高せん断速度下(37)や平行回転円盤間(38)でのMR流体のレオロジー特性や流動形態が明らかにされた.MR流体の応用機器としては,すでにMRショックアブソーバが実際に乗用車(GM社Cadillac,Audi社TTCoupeなど)に搭載され実用化に至っている(33).また,すでにMR流体を活用した研磨装置も実用化・商品化されているが(39),MR流体ジェットを活用したスポット研磨(40)や管内面研磨のためのMR流体ベーススラリー(41)の開発も試みられている. 電場下で電気分極する数µmサイズの微粒子を分散した粒子分散系ER流体については,各種流れ場での流動形態と関連づけてそのER特性が論じられ(42),ER流体のレオロジー特性を表す機械モデル(43)についても検討された.また,液晶の均一系ER流体については,低分子混合液晶を用いた円管電極マイクロバルブの特性(44)や低分子液晶の振動スクイーズ流れでのER特性(45)などが明らかされた.〔中野 政身 山形大学〕7・3・3 3年ごとに国際会議が開催されており,2007年7月にも第11回会議が開催されている.本稿では,会議の報告は間に合っていない.国内では,毎年磁性流体連合講演会が開催され,第21回目の講演会が開催された(46).日本の研究は活発であり,高い水準にある.したがって,その論文集で研究動向がわかる.新しい粒子合成法,粒子径計測法,非一様磁場中での粒子の挙動解析,粒子凝集状態の経時変化,振動磁場中でのレオロジー特性などの研究が報告されている.さらに,磁性流体を用いた気泡速度計測,ダンパ,血液ポンプ,研磨技術などの応用研究も報告されている.雑誌論文では,棒状粒子の挙動をシミュレーションによって明らかにした一連の研究が報告され(47),異方性を有する粒子でできた磁性流体の磁気粘性が報告され(48),磁性流体振り子が交流磁場によってねじり振動することも理論的に予測されている(49).また,磁性流体の界面現象(50)は観る者に不思議な感情を抱かせ,それを芸術にまで昇華した研究(51)もある.〔須藤 誠一 秋田県立大学〕 7・3・4 近年,超高温,極低温,強電磁場,ナノ・マイクロスケール等の特殊環境下における混相流応用機器

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