青梅業務核都市基本構想(素案)平成21年2月東京都別紙2目次1業務核都市の名称及び範囲(1)業務核都市の名称1(2)業務核都市の範囲12業務核都市の整備の方針に関する事項(1)整備の基本的方向3(2)整備の方針33業務施設集積地区の区域及び整備の方針に関する事項(1)業務施設集積地区の区域13(2)業務施設集積地区の整備の方針144中核的施設の整備等に関する基本的な事項(1)中核的施設の整備に関する基本的な事項19(2)中核的民間施設の運営に関する基本的な事項225公共施設等の整備の方針に関する事項236環境の保全、地価の安定その他整備に際し配慮すべき事項(1)地域の振興又は整備に関する計画等との調和25(2)環境の保全25(3)地価の安定25(4)適切かつ合理的な土地利用25(5)災害の防止等26(6)業務機能と居住機能の調和26(7)広域的な交通体系についての配慮等26(8)事業の円滑な実施のための推進連絡体制の確立26(9)業務機能の集積促進のための措置の実施26別表1青梅中心市街地地区27別表2青梅インターチェンジ周辺地区37別表3梅郷・沢井地区40別表4青梅・長淵・河辺地区5911業務核都市の名称及び範囲(1)業務核都市の名称青梅業務核都市(2)業務核都市の範囲ア範囲青梅市の全域総面積10,326haイ業務核都市及びその区域の設定理由青梅市は、東京都の西北部に位置し、都心から40~60km圏にある。関東山地が平野部と接し、東側に向けて扇状の武蔵野台地が形成され、その扇の要に位置している。秩父多摩甲斐国立公園の玄関口として、豊かな自然環境に恵まれた都市である。青梅市を東西に貫く多摩川は、市民に憩いと潤いを与えるとともに、首都圏における観光・レクリエーションの場としてにぎわっている。市を東西に貫く青梅街道は、御岳参りや甲州間道として多くの人々に利用され、宿場町として栄えた歴史を有しており、今なお、伝統文化が色濃く残っている。また、多くの文人墨客が居を構えたことから、今もゆかりの文化施設が多くあり、観光地としても著名である。産業の歴史をみると、江戸城の築造にも使われた石灰や木材の産地であった。また、「青梅縞」をはじめ古くから織物産業も盛んであった。戦後は、「青梅夜具地」が一世を風靡し、西多摩地域の拠点としての地位を築いた。昭和26年に、3町村の合併により市制に移行し、昭和30年には、4か村を加えて現在の青梅市が形成された。市域をみると、東部地域は、ほぼ平坦な地形となっており、宅地や畑などに利用されてきた。また、昭和20年代後半にはじまる土地区画整理事業等により、計画的な基盤整備が行われ、都市的な土地利用が展開されている。西部地域は、標高400~1,000m程度の山間地域となっており、秩父多摩甲斐国立公園地域に指定されている。名水100選の御岳渓流を有する多摩川の渓谷や、古くから山岳信仰の山として栄えた御岳山、関東有数の梅の里である梅郷地区など、観光資源に恵まれている。こうした歴史的・地形的背景をもとに、現在では、電気機械器具などの大手企業が立地するなど、多摩地域におけるハイテク産業の一翼を担い、首都圏中央連絡自動車道(以下、「圏央道」という。)と中央自動車道(以下、「中央道」という。)の接続により、さらなる産業機能の集積や、物流機能の集積が期待されている。また、近年、JR青梅駅周辺では、古い街並みや、往年の映画看板を活用した昭和レトロのまちづくりへの取組も行われており、全国的に知名度が高まり来訪者が増えている。一方、農林業も主要な産業であり、近年の自然志向・健康志向のライフスタイルへの関心の高まりから、都市近郊の利便性を生かした観光農業、2地産地消の取組など、新たな発展が期待されている。市民生活においては、計画的に整備された質の高い居住環境があり、医療・福祉の面でも高いサービスが提供され、郊外型のライフスタイルの形成も進んでいる。また、西多摩地域で唯一の大学が立地しており、文化・芸術面を通じた産学公の連携も盛んである。交通条件としては、鉄軌道では、JR青梅線が市中心部を東西に貫き、河辺駅、東青梅駅、青梅駅など、市内に10の駅がある。近年は、東京、青梅駅間の直通列車の運行本数が増加し、利便性が向上している。幹線道路では、圏央道が、平成8年に青梅インターチェンジ、鶴ヶ島ジャンクション間が開通して関越自動車道(以下、「関越道」という。)と接続し、平成19年には中央道とも接続した。また、多摩地域の主要な東西方向の幹線道路の一つである新青梅街道や、山梨県方面に続く青梅街道などが走っており、交通の要衝となっている。さらに、青梅市に近接する横田飛行場の軍民共用化に伴うアクセス強化や、構想路線である多摩新宿線の将来的な整備が期待されるなど、他の業務核都市や都心部との連携はもとより、首都圏以外の地域との連携の強化が期待されている。業務核都市「青梅」については、首都圏における広域連携拠点として、中核的施設の整備や活用を積極的に進めるとともに、豊かな自然環境を背景とした観光産業や農林業の育成を図るなど、青梅らしさを十分に生かしながら、業務核都市として重点的に育成・整備を進める。これにより、多摩地域の自立性を高め、東京圏全体の発展に寄与する。32業務核都市の整備の方針に関する事項(1)整備の基本的方向(将来像)我が国が人口減少社会に入り都市構造・産業構造が転換する中、今後は「東京都心部の業務機能分散の受け皿」のみを目的とした業務核都市では不十分である。そのため、業務核都市「青梅」については、自然環境や伝統文化と調和した持続可能な開発(サステイナブル・デベロップメント)により、付加価値の高い地域独自の産業づくり・就業の場づくりを進めるとともに、水と緑の豊かな自然や、歴史的な観光資源を生かして、文化、観光、福祉・健康等の機能の拡充を図り、業務核都市としての中核性・自立性を高めることを目指す。本業務核都市としての将来像は、「豊かな自然の中で、誰もがおもてなしの心地よさを感じて、住みたくなる都市」とする。この実現に向けて、大きく二方面から取り組む。一つは、多様多彩な人材・人物を吸引する魅力(=Hi-touch)をつくることである。そのためには、地域の特産物・特産品をより付加価値の高いものとして外部に発信するとともに、観光資源を上手に見せ、つなぐためのまちづくりを進める。また、芸術・文化に携わる人を重視し支援することにより、地域産業に新しいデザインを吹き込む、などの様々な方策を進める。もう一つは、圏央道の交通利便性を生かした物流機能や産業の集積を図るとともに、技術の芽、地域の特性を生かした高度な産業(=Hi-tech)をつくることである。特に、「環境」をテーマとする先端技術を生かした産業の支援や、地盤が堅固で地震に強い土地柄を生かした新しい事業の展開を図る。(計画フレーム)2015年の人口は、約14万9千人を見込む。従業地就業者数は、約6万9千人を目指す。また、交流人口増加の取組や街の魅力の向上などにより、人口の増加・安定化を図ることにより、昼夜間人口比の向上を図る。(2)整備の方針ア広域的位置づけ(ア)首都圏整備計画等による位置づけ首都圏整備計画(平成18年9月国土交通省)では、青梅広域連携拠点について、「医療機能に加え、生活、文化機能などの拠点として整備を推進するため、東青梅駅周辺地区において、官庁施設や民間施設などを含めたシビックコアの形成に向けた調査を行う。」とされている。(イ)その他の上位計画、関連計画による位置づけ東京の新しい都市づくりビジョン(平成13年10月)では、「東京圏全4体を視野に入れた集積のメリットを生かす多機能集約型の新たな都市構造である『環状メガロポリス構造』の構築を目指す。」とし、「核都市相互の交流と連携が活発に行われ、核都市連携都市軸が形成される。」としている。また、青梅の将来像については「都県境を越えた環状方向の連携強化により、自然、歴史、文化と産業集積を活用した、職住近接を実現」、「生活、文化、医療に関する機能の充実により、豊かな自然環境を生かしたサービス拠点を形成」としている。また、青梅インター等の圏央道のインターチェンジ周辺の将来像については、「優れた交通結節機能を生かした物流拠点の立地や、既存の先端技術産業、工業団地を生かした工業、研究機能の集積地域を形成」としている。多摩川渓流域の将来像については、「多摩川の渓谷の自然と調和した観光レクリエーションエリアを形成」、「御岳渓谷の自然、吉野梅郷の風情ある景観、特色ある食文化による観光的魅力を発揮」としている。イ現況と課題(ア)人口、人口動態等人口は、142,354人(平成17年国勢調査)である。昭和40年代から順調に増加してきたが、平成7~12(1995~2000)年以降、伸びが鈍化し始めている。東京都の人口に占める青梅市の人口割合は増加傾向にあったが、平成7(1995)年以降は約1.17%で推移している。青梅市の平成17(2005)年における年齢別人口構成比は、年少人口(0~14歳)13.9%、生産年齢人口(15~64歳)67.2%、老年人口(65歳以上)18.9%である。また、今後の年齢別人口構成比は、平成27(2015)年に、年少人口11.2%、生産年齢人口59.7%、老年人口29.1%である。今後は、急速に少子高齢化が進むと予測される。平成17年の昼夜間人口比は0.90、就従比は0.85となっている。今後、就従比の改善に資する就業の場を確保することが課題である。また、少子高齢化が急速に進むことを展望すると、主婦や高齢者などの就業を支援・促進する必要がある。(イ)産業構造製造品の出荷額等は、昭和58(1983)年の2,649億円が、平成12(2000)年には8,681億円まで増加した。しかし、平成13年以降、大規模事業所の再編等により大幅に減少し、平成19(2007)年には3,701億円となっている(各年、工業統計調査報告)。多摩地域の市町村別の順位では7位となっている。卸売業及び小売業の年間販売額(平成19年商業統計調査報告)は、それぞれ661億円、1,131億円となっている。多摩地域の市町村別の順位では、それぞれ14位、12位となっている。5産業構造の特徴としては、製造業の電気機械器具系産業の集積が進んでいる。本業務核都市の育成に当たっては、既存の産業集積及びその特性を生かして、高度化の促進と新たな集積を図るとともに、観光資源の活用などによる新たな産業育成に努め、多摩地域の自立性の向上に寄与することが課題である。(ウ)機能集積本業務核都市には、多摩地域でも上位に位置する工業などの集積が進んでおり、先端技術産業や研究機能が集積している。今後は、圏央道の交通利便性や、優れた交通結節機能を生かし、多摩シリコンバレーの形成に向け、青梅インターチェンジ周辺地域において、既存工業団地内の物流施設の再編なども視野に入れた新たな物流機能の立地誘導や、更なる産業集積を図り、東アジアを代表する産業拠点の一つに育成していく。業務機能については、中心市街地の駅周辺における業務集積を図る。商業機能については、近接する郊外都市に大型商業施設の立地が増加するなどにより、販売額が減少傾向にある。観光商業の取組をはじめ、地域の特性を生かした魅力ある商店街づくりを通して、中心市街地の活性化など、活力あるまちづくりを進めていく。文化、観光機能については、市内に芸術や文化の人材が豊富におり、明星大学や美術館・ギャラリー・アトリエなど、教育・芸術関連施設の集積もあることから、それらを生かした文化・芸術活動の充実や交流を進めていく。また、多摩川や御岳山など、水と緑の豊かな自然や、歴史的な観光資源を生かして、観光地としての魅力の向上を図っていく。福祉・健康機能については、青梅市立総合病院や、特別養護老人ホームをはじめ多くの福祉施設が立地している。今後は、豊かな自然を生かしたアウトドアス