◎超基礎古典文法…高校生・受験生のための古文講座since2002.08----目次----第一章動詞$1活用表の枠組みを憶えよう$2四段活用は現代語とほとんど同じ$3「接続」という文法用語を理解しよう$4「飽く」「足る」「借る」「生く」は、古語では四段活用である$5下一段活用は「蹴る」の一語しかない$6動詞の活用で一番大切なのは下二段活用$7下二段活用を下一段活用と間違えないこと$8ア行に活用する語は、「得(う)」一語しかない$9ヤ行下二段活用をア行と間違えないこと$10ワ行下二段活用をア行と間違えないこと$11サ行変格活用の終止形は「す」$12複合サ変動詞の見分け方$13複合サ変動詞の未然形は間違いやすい$14「命ず」「感ず」なども「ザ変」ではなく「サ変」と呼ぶ$15上一段活用の連用形は、漢字で書いても平仮名で書いても一文字$16ワ行上一段活用をア行と間違えないこと$17上二段活用を上一段活用と間違えないこと$18ヤ行上二段活用をア行と間違えないこと$19まとめア行に間違いやすい動詞の全て$20語幹が同じ別の動詞「見ゆ・見る・見す」を混同しないこと$21語幹が同じ別の動詞「出(い)づ」と「出(いだ)す」を混同しないこと$22終止形が同じ「入(い)る」の自動詞・他動詞を混同しないこと$23終止形が同じ「伏(ふ)す」の自動詞・他動詞を混同しないこと$24古語の連用形は現代語と同じ$25ラ行変格活用の終止形は「…り」$26「かく」「さ」「しか」「と」の理解確認$27「あり」は連体詞・接続詞などの複合語の中に隠れている$28「あり」を含む複合語の語源理解$29「あり」を含む複合語の注意点$30「あり」は形容詞・形容動詞の活用の中に隠れている$31「あり」は助動詞「べし」「ず」「まじ」「まほし」「たし」などの活用の中に隠れている$32「あり」は、実は、ラ変動詞の語源になっている$33「あり」は、実は、ラ変助動詞の語源にもなっている$34終止形が「り」で終わる単語はラ変である$35ナ行変格活用は「死ぬ」「往ぬ」「ぬ」の三語$36カ行変格活用の終止形は「来(く)」$37「来たる」は四段活用の動詞であることが多い$38終止形が一音節の動詞のすべて$39余談活用形の名称の由来$40活用形の用法$41余談活用の種類の山戸式名称第二章形容詞$42形容詞の終止形は「し」で終わる$43形容詞の連体形は「き」で終わる$44形容詞の活用の枠組み(ク活用)$45形容詞の活用の枠組み(シク活用)$46「ク活用」と「シク活用」$47「いみじ」「すさまじ」「らうらうじ」「同じ」はシク活用の形容詞$48形容詞の単語認定を間違いやすい例$49形容詞の音便第三章形容動詞$50形容動詞の活用の枠組み$51名詞+断定「なり」と形容動詞の区別の仕方$52「…げなり」は形容動詞$53「…かなり」は形容動詞第四章助動詞$54体験過去の助動詞「き」$55物語の中の「けり」の意味は、伝聞過去が基本$56歌の中の「けり」は詠嘆が基本$57「なりけり」「にありけり」「にぞありける」「にこそありけれ」の「けり」は発見詠嘆$58「あり」の敬語体に付いた「けり」も発見詠嘆$59完了・強意の助動詞「つ」$60完了・強意の助動詞「ぬ」$61助動詞「つ」「ぬ」の強意用法$62存続・完了の助動詞「たり」$63存続・完了の助動詞「り」はサ変動詞の未然形・四段動詞の已然形に付く$64なぜ「む(ん)」には推量・意志・勧誘・婉曲・仮定の意味があるのか$65「ん」と「ぬ」と「む」を混同しないこと$66疑問の係助詞「や」+現在推量の助動詞「らむ(らん)」$67疑問詞+現在推量の助動詞「らむ(らん)$68疑問の係助詞「や」+過去推量の助動詞「けむ(けん)」$69助動詞「べし」の活用の枠組み$70助動詞「べし」は、なぜ「かいすぎとめて」の七つの意味があるのか$71打消の助動詞「ず」の活用の枠組み$72漢文の「不」の書き下し$73「ぬ」と「ぬる」と「ず」を混同しないこと$74「じ」は打消推量・打消意志$75「まじ」は「べし+打消」$76断定の助動詞「なり」の活用の枠組み$77断定の助動詞「なり」の連用形「に」の認識$78もう一つの「たり」…断定の助動詞「たり」$79もう一つの「たり」…形容動詞タリ活用の活用語尾$80視覚推定の助動詞「めり」の本来の意味は「見えている」$81もう一つの「なり」…伝聞推定の助動詞「なり」$82「aべし」「aめり」「aなり」は、??を??すると理解できる。$83受身・自発・可能・尊敬の「る」「らる」の見分け方。$84余談「る」「らる」には、なぜ受身・自発・可能・尊敬の四つの意味があるのか$85意味・用法の紛らわしい「る」「らる」の見分け方$85-2なぜ「れ給ふ」「られ給ふ」は、二重尊敬ではないのか$86ラ行活用動詞など+「る」「らる」$87完了・存続の「り」の連体形「る」と受身・自発・可能・尊敬の「る」$88「せ給ふ」「させ給ふ」「せおはします」「させおはします」は二重尊敬。それ以外の「す」「さす」は使役$89サ行活用動詞など+「せ給(たま)ふ」「させ給ふ」$90使役・尊敬の助動詞「しむ」$91希望の助動詞「まほし」$92希望の助動詞「たし」$93比況の助動詞「ごとし」$94終止形が「し」「じ」で終わる単語は形容詞型活用である$95推量「む」「らむ」「べし」「まし」の根本的な意味を考える$96反実仮想の助動詞「まし」は構文の中で理解する第五章助詞格助詞$101「の」と「が」は入れ替えよ$102同格の「の」は「で」と訳し、その後最初に出てきた連体形準体法の後に「の」の前の名詞を補う$103「に」「にて」の訳は「で」$104補う助詞は「をにのはが」$105主語と述語との間に主格を示す「が」を補う$106目的語と動詞の間に格助詞「を」を補う$107連体形の準体法の後に、名詞または「の」を補う間投助詞$108「…を~み」の語法は「…が~なので」と訳す接続助詞$109「已然形+ば」は「ので・ところ・と」$110「未然形+ば」は「もし…(た)ならば」$111「なくは・なくんば・なくば」「恋しくは・恋しくば」「ずは・ずんば・ずば」について$112「ずんば」が仮定を表さない唯一の例、漢文の二重否定「ずんばあらず」$113「ど」「ども」の訳は「けれど」「けれども」$114「ものの」「ものを」「ものから」も逆接$115「未然形+で」の訳は「…ないで・なくて」$116接続助詞「て」は、主語の同一性を維持する$117接続助詞「ば」「ど」「ども」は、主語の転換に注意まとめ$118「を」「に」「が」について…格助詞か接続助詞か$119「を」「に」「が」について…順接か逆接か単純接続か$120「とて」は引用の格助詞「と」+接続助詞「て」。訳は「と…て」副助詞$121副助詞「だに」の訳は、後を見てから考える$122「すら」の訳は、「さえ」$123「さへ」の訳は、「その上…までも」$124「のみ」は場所をずらして「だけ」「ばかり」と訳す係助詞$125「ぞ」は強調。連体形で結ぶ$126「なむ(なん)」は口語的強調。連体形で結ぶ$127疑問の「や」は結びの後に「(の・だろう)か」と訳す。連体形で結ぶ$128反語の「やは」は結びの後に「(の・だろう)か、いや、…ない」と訳す。連体形で結ぶ$129疑問の「か」は結びの後に「(の・だろう)か」と訳す。連体形で結ぶ$130反語の「かは」は結びの後に「(の・だろう)か、いや、…ない」と訳す。連体形で結ぶ$131逆説的強調の「こそ」は「は」と訳し、結びの後に逆接接続を加えて訳す。已然形で結ぶ$132「こそ」は単なる強調に訳すことも出来る$133「こそ」はそのまま「こそ」と訳すこともある$134「をば」の訳は「を」または「は」$135「もぞ」「もこそ」の訳は「…と困る。…と大変だ」$136「ぞ」「や」「か」「こそ」は文末に使われることもある$137「と」+「係助詞」で文が終止・中止している時は、「言ふ+α」を補って解釈する$138「形容詞・形容動詞・助動詞の連用形」など+「係助詞」の後には、補助用言「あり+α」を補う$139補助動詞「あり」の代わりに「あり」の敬語体を補うこともある$140「かく・さ・しか」+「係助詞」の後には、「言ふ+α」または「あり+α」を補う終助詞$141希望・願望の終助詞「ばや」「なん」「てしがな」「もがな」$142禁止の終助詞「な…そ」$143その他の終助詞「か」「かな」「な」「は」「よ」$144文末の強めの終助詞「かし」$145間投助詞「し」、間投助詞+係助詞「しも」は強調第六章品詞補遺$146副詞「え」は打消を伴って可能を表す$197「あり」「す」「ものす」「為(な)す」は柔軟に訳す。$198黄色い表に、なぜ()付きの語があるのか$199ク語法について第七章敬語$201敬語は身分の違いを意識・表現した言葉$202尊敬語は「貴人が…する」を表す言葉$203謙譲語は「貴人(の前)を・に・で・から…する」を表す言葉$204丁寧語は聞き手や読者を貴人と捉え、丁寧に言う言葉$205尊敬・謙譲・丁寧のまとめ$206敬意の主体は、その敬語を使っている人である$207敬語の動詞・補助動詞・助動詞の違い$208尊敬・謙譲・丁寧の動詞の復習$209その他の注意すべき敬語$210二方面に対する敬意(二人の貴人に対する敬意)の表現$211二方面に対する敬意(二人の貴人に対する敬意)のまとめ$212「侍り」は本来は謙譲の動詞だった$213「候(さぶら・さうら)ふ」も本来は謙譲の動詞だった$213-2「侍り」「候ふ」は、なぜ丁寧語としても使われるようになったのか$214「聞く」「聞こゆ」「聞こえさす」「聞こす」「聞こしめす」は、混同しないよう注意第八章和歌の修辞法$301枕詞のもとの意味$302序詞の表現構造$303掛詞・縁語の表現構造$304掛詞クイズ$305掛詞・縁語クイズ付録$990動詞を連用形で引く『岩波古語辞典』は、最高の古語辞典だ----本文----第一章動詞$1活用表の枠組みを覚えよう活用する語(動詞・形容詞・形容動詞・助動詞)を勉強するには、まず活用の枠組みを覚えましょう。日本語の活用には六つの活用形があり、未然形は、ず(打消の助動詞)に続く形連用形は、たり(完了の助動詞)・けり(過去の助動詞)・て(接続助詞)に続く形終止形は、普通に終止する形連体形は、体言、つまりこと・人・時などの名詞に続く形已然形は、ど・ども(接続助詞)に続く形命令形は、命令するときに言う形と憶えます。$2四段活用は現代語とほとんど同じ古文の中で、出現頻度が高く、現代語とほとんど同じ活用をするのが四段活用です。○花||咲く。○花|が|咲く。の「咲く」なら、未花も|咲?|ず用花|咲?|たり・けり・て終花|咲く|。体花の|咲?|こと・時已花は|咲?|ど・ども命花よ|咲?|。と考えます。すると、自然に、次の活用表が出来ます。「咲く」(カ行四段)の活用表古語現代語訳未花も|咲か|ず花も|咲か|ない用花|咲き|たり・けり・て花が|咲い|ている・た・て終花|咲く|。花が|咲く|。体花の|咲く|こと・時花が|咲く|こと・時已花は|咲け|ど花は|咲く|けれど命花よ|咲け|。花よ|咲け|。次に、○雨||降る。雨|が|降る。の「降る」(ラ行四段)の活用表は、古語現代語訳未雨は|降ら|ず雨は|降ら|ない用雨|降り|たり・けり・て雨が|降っ|ている・た・て終雨は|降る|。雨は|降る|。体雨|降る|こと・時雨が|降る|こと・時已雨は|降れ|ど雨は|降る|けれど命雨よ|降れ|。雨よ|降れ|。「咲く」は活用語尾が「か・き・く・く・け・け」、「降る」は「ら・り・る・る・れ・れ」となっているのが一目で分かるでしょう。前者は、カ行の四段(かきくけこ)に活用しているのでカ行四段活用、後者はラ行の四段(らりるれろ)に活用しているのでラ行四段活用と呼ぶわけです。四段活用の活用語尾は、「a・i・u・u・e・e」と憶えるとよいが