「放射線生物学」配布用シラバス(平成22年度)1.基本情報配当年次:3回生配当学部:理学部曜日・コマ:月曜日・Ⅱコマ教室:C10-5032.担当教員(講義担当順)担当教員:児玉靖司連絡先:C14-305kodama@riast.osakafu-u.ac.jp(E-mail)オフィスアワー:水曜日および木曜日12:00~13:003.講義目標放射線、および放射性物質の物理・化学的な基本性質を理解した上で、放射線が生体にどのような影響を及ぼすのかを総合的に理解することを目標とする。具体的には、放射線による標的理論、染色体異常生成、放射線の確率的影響と確定的影響、および放射線発がん機構などについてその概要を理解し、さらにその知識を放射線防護の基本的理念の理解につなげる。4.教科書・「放射線生物学」江島洋介・木村博(共編)オーム社5.配付資料・シラバス(本紙)・プリントを随時配布する。6.参考書・演習書・「朽ちていった命—被曝治療83日間の記録—」NHK「東海村臨界事故」取材班新潮文庫・「みんなのくらしと放射線」みんなのくらしと放射線知識普及実行委員会大阪公立大学共同出版会・「がん遺伝子の発見—がん解明の同時代史」黒木登志夫(著)中央新書・「放射線基礎医学」菅原努(監修)青山喬(編著)金芳堂7.関連科目生物学実験Ⅳ8授業の概要(予定)回月日概要必要な資料等110月4日<導入講義/放射線の基礎(1)>放射線生物学という学問領域の歴史と現状、および今後の可能性についてその概要を学ぶ。配布プリント210月18日<放射線の基礎(2)>放射性壊変、及び放射線の種類と性質について学ぶ。配布プリント310月25日<放射線の基礎(3)>放射線と物質との相互作用、X線の発生機構、及び放射線の単位について学ぶ。配布プリント411月1日<ヒット理論>致死効果を定量的に判定する基礎理論としてのヒット理論を学ぶ。配布プリント511月8日<紫外線によるDNA損傷と修復>紫外線によるDNA損傷の種類、特徴、生成機構、及びその修復機構の分子メカニズムについて学ぶ。配布プリント611月15日<生物効果の修飾>放射線の生物効果の修飾要因としての酸素効果、防護効果、線量率効果、線質等について学び、放射線の直接効果と間接効果の違いを理解する。配布プリント711月22日<放射線適応応答>低線量放射線による適応応答の誘導現象について学ぶ配布プリント811月29日<染色体異常>放射線により誘発される染色体異常の種類、特徴、生成機構、および生体に及ぼす影響について学ぶ。配布プリント912月6日<放射線によるDNA損傷と修復>放射線によるDNA損傷の種類、特徴、生成機構、及びその修復機構の分子メカニズムについて学ぶ。配布プリント1012月13日<DNA損傷の認識と伝達>放射線によるDNA損傷の認知に係わるタンパク質の機能とその後の細胞周期の制御に係わるシグナル伝達ネットワークシステムについて学ぶ。配布プリント1112月20日<放射線の人体影響>放射線による人体影響として、確率的影響、及び主要組織の確定的影響について学ぶ。配布プリント1212月27日<原子爆弾>原子爆弾の原理と製造に至る過程について学び、その歴史的意義について考察する。配布プリント131月17日<放射線発がん>放射線発がんの機構について、がん遺伝子、およびがん抑制遺伝子の概念を踏まえて学ぶ。配布プリント141月24日<細胞老化>放射線によるDNA損傷と細胞老化との関わりについて、老化のテロメア仮説を踏まえて学ぶ。配布プリント151月31日<発がんと老化>発がんと老化との密接な相関について、特にDNA損傷とテロメア機能の観点から学ぶ。配布プリント2月7日期末試験9成績評価成績は、出席10%、レポート40%、期末試験50%で評価します。