卒業論文の指導东语系主任刘小珊史学博士日语教授从教38年日本漢学キリスト教研究中日交流史翻訳史研究翻訳家研究主要内容第一章卒業論文を書く心構え第二章論文を書く上の教養問題第三章卒論研究時間配分の最適化第四章卒業論文テーマの選定第五章卒論資料収集の進め方第六章卒業論文の作成の手順第七章卒業論文全体構造の練り方第八章卒業論文本文の基本構造第九章卒業論文作成時の手引き第十章研究意識と卒論の作成第一章卒業論文を書く心構え目的定義種類1.何のため卒業論文か1大卒資格を得るため2対象分野の学術的進歩のため3社会人に必要なスキルをつけるため「私は論文を書くのが大嫌いだ。他人の本や論文を読んだり、議論をしたり、研究したり、人前で発表したりするのは本当に楽しい。学生の論文を読むのが嫌いとは言えない。先輩研究者の論文を読んだり、研究したりする同時に、自分自身も論文を書くのが大好きです。——国内、国外の雑誌に掲載したり、人前で自分の論文を発表したりするのは本当に楽しい気持ちです。卒業論文は人生の大事2.論文の定義「論」ーー論也者,弥綸群言,而研一理者也。一種の文体である。「文」ーー文字である。南朝梁刘氏『文心雕龙』論文:(1)論議する文(2)理義を論じ極める文『広辞苑』(1)ある物事について理論的な道筋を立てて説かれた文章(2)学術的研究文章を理論的に述べた文章『広辞林』(1)ある物事について道筋を立てて意見を述べた文章(2)その人の研究の結果をまとめた文章。『新明解国語辞典』第一、培养对知识的整理能力第二、培养发现问题、分析问题、解决问题的能力?基础知识是否扎实?论文写作的目的所在?是否具有用日语行文的能力卒業論文を書く心構え?能否联系实际认识和分析问题卒業論文とは何か(1)自分でテーマ・問題を設定し(2)関連する文献を読み、必要な関連事項を調査し、(3)さまざまな視点で捉えることが要求されます。(4)自分の感想や反省など客観的に表現することが重要です。3.論文の三つ種類1-大学、大学院講義で、試験の代わりに課される、調べて考えて書いてねというような小論文——レポート2-大学演習・セミナーで、一年間のまとめとして、行った調査や研究に基づいて書く、もうちょいハードな——小論文3-大学に四年間在籍して勉強したことの総決算として書きます、いわゆる——卒論3.1論文と作文の区別作文:(1)情景・印象・体験・感想などの描写を中心にしている(2)何かについて描写するという描写文・何かについての感想を語る感想文である(3)主観的・感情的である論文:(1)論議し、主張し、分析し、判断することを出眼にしている(2)一定の問いに対して答える、主張する、議論する文章(3)客観的・知的なものである。問題意識と批判精神なしには書けません専門家の意見をいくら羅列しただけで、論文にはなり得ません。自分の頭で考えて、自分の言葉で書いて人を説得する文章になります。注意すべきこと3.2論文とレポートの区別レポートーーあくまでも何かに関する報告である。理科:実験報告文科:大化の改新・川端康成の文学・漢字について論文ーー何よりもまず自分自身が何らかのテーマをしなければならない。--その創意に発する仮説を論じきわめて、結論を引き出し、先の仮説でないことを事実をもって論証する文章なのである。①テーマは自分で見つけるーー卒論はテーマが自分で見つける。②十分な枚数があるーー下限が設定される、上限はない自分が書きたいだけ、書くことができる。③十分な時間があるーー1年近く時間があることになる。重要性:教職・研究者を目標とする場合ーー内容を生かして、絶対的な重みを持つ論文の作成ができない場合(1)就職できない(2)就職しても、給料が低い(3)年金・保険金を抑えられる(4)生活が不安定だ卒論の特質:ーー学術性・創造性・真実性・客観性・論理性卒業論文の性格ーー学術性文は人なりよく考えてください練習1.この事実は法観念が変化したことを示していると言えるでしょう。練習1.この事実は法観念が変化したことを示していると言えるでしょう。A.この事実は法観念が変化したことを示していると言えるでしょう。(言えよう)説明1:です・ます体は使わない。B.10世紀に入って、Aの数は減少して、BやCが増加して、Aと国との結びつきは弱りました。B.10世紀に入って、Aの数は減少して、BやCが増加し(減少し)(増加し)て、Aと国との結びつきは弱りました。(弱まった)説明2:文の接続を書き言葉にする。C.都市が抱える深刻な問題は人口が年々減っているこそ。そこで、この問題をどのように解決すればいいのか考えてみたいです。C.都市が抱える深刻な問題は人口が年々減っているこそ。そこ(ことである)で、この問題をどのように解決すればいいのか考えてみたいです。(みたいと思う)説明3:名詞止めの文は避ける。D.調査団は6月、発掘調査を行うことを決定。3ヶ月の準備期間をおいて、9月24日に調査を開始した。調査には鈴木博士もご参加になった。D.調査団は6月、発掘調査を行うことを決定。3ヶ月の準備期(6月に)(決定した)間をおいて、9月24日に調査を開始した。調査には鈴木博士も(おき)(氏)ご参加になった。(参加した)説明4:名詞止めの文は避ける。敬語は避ける。E.しかし、同じ時間の流れが速くなったり遅くなったりするのはなぜなのだろうか。ここで時間の流れとは何かということが問題になると思います。まずは、次のような事例から考えてみようと思います。E.しかし、同じ時間の流れが速くなったり遅くなったりするの(速くなる、遅くなるなどする)はなぜなのだろうか。ここで時間の流れとは何かということが問題になると思います。まずは、次のような事例から考えてみ(思われる)ようと思います。説明5:「~たり、~たりする」は話し言葉的である場合が多い。「~しようと思う」以外の「~と思う」は受身形「~と思われる」になることが多い。(と思う)2.よく使われる語と表現練習2.私はこの論文で日本とアメリカの教育制度の違いについて書きますよ。どっちの国でも大学で何を学ぶかは、大学に入る前に何を学んだかによって違うんだなあ。日本じゃ、小学校とか中学校とか高校ですっごくいっぱい勉強するから大学での勉強はあまり強調されない。でも、アメリカでは大学に入る前にあんまり勉強をしないから、大学に入ってからの勉強が重要です。2.よく使われる語と表現練習2.私はこの論文で(本稿では)日本とアメリカの教育制度の違いについて書きますよ(述べる)。どっちの(いずれの)国でも大学で何を学ぶかは、大学に入る前に何を学んだかによって違うんだなあ。日本じゃ(では)、小学校とか(や)中学校とか(や)高校ですっごくいっぱい(非常によく)勉強するから(ので)大学での勉強はあまり強調されない。でも(しかし)、アメリカでは大学に入る前にあんまり(あまり)勉強をしないから、大学に入ってからの(大学入学後の)勉強が重要です(重要である)。説明6:「から」を「ので」に変えると、また、「大学に入ってから」を「大学入学後」にすると、より論文らしくなる。3.引用の問題練習3.森(1987)によると、開国後7年間で「輸出が2.5倍になる一方、輸入は13倍になり、市場は大混乱を生じた(p.65)」(森1987)のである。練習3.森(1987)によると、開国後7年間で「輸出が2.5倍になる一方、輸入は13倍になり、市場は大混乱を生じた(p.65)」(森1987)のである。説明7:出典は2回書かなくていい。3.引用の問題B.森(1987)は「輸出が2.5倍になる一方、輸入は13倍になり、市場は大混乱を生じた(p.65)。」B.森(1987)は「輸出が2.5倍になる一方、輸入は13倍になり、市場は大混乱を生じた(p.65)。」と述べている。説明8:主語に合わせた述語をつける。3.引用の問題C.森先生は「輸出が2.5倍になる一方、輸入は13倍になり、市場は大混乱を生じた」と述べておられる。森先生(森(1987))は「輸出が2.5倍になる一方、輸入は13倍になり、市場は大混乱を生じた(p.65)」と述べておられる(と述べている)。説明8:敬語は避ける。主語に合わせた述語をつける。3.引用の問題D.開国後、輸出が2.5倍になる一方、輸入は13倍になり、市場は大混乱を生じたそうだ(森1987)。説明9:「」によって、直接の引用であることを示し、「そうだ」は省く。D.開国後、「輸出が2.5倍になる一方、輸入は13倍になり、市場は大混乱を生じたそうだ(森1987)。生じた(森1987,p.65)」。3.引用の問題E.森(1987)によると、開国後、輸出が2.5倍になったが、輸入は13倍に増加した。その結果、市場は大混乱を生じた。説明10:文を分けるとどこまでが引用か、わかりにくくなる。E.森(1987)によると、開国後、輸出が2.5倍になったが、輸入は13倍に増加した。(増加し、)その結果、市場は大混乱を生じた。(1)日本人と労働、ジョン・リー――――世界中のみんなは、よく、日本人を働きすぎだと、非難するその背景には戦後日本が社会資本や社会福祉の充実を後回しにして生産第一主義効率主義を掲げ高度経済成長を成し遂げたんだとする見方があります。つまり『豊かさ』のために、人間らしい生活をだめにしているんじゃないかということが問われているんですね。練習4(2)――――人間らしさを取り戻すためにしなくちゃならないことはいっぱいある。中でも、余暇を確保することはとっても大切なことだ。僕のこの論文ではまず、日本人の労て働と、余暇の現状について書いて、その後、ホントに日本人は働きすぎなのかどうかを検証して、「日本人は働きすぎ」という議論の問題点を明らかにして、最後に日本での労働と余暇が今後どうあるべきかを提言したいです。練習4第二章論文を書く上の教養問題教養品位標準1.教養を身につける論文の一番大事な要素——内容表現する日本語——不十分せっかくの内容——色褪せる教養の問題であり、学力の問題ではない1.1「剽窃」という問題丸写し:友達の書いた論文を写して、自分の書いたものとして提出すること。自己剽窃:自分の書いたものであっても、複数の授業に同じ論文を提出すること。無断借用:重要な論点・アイディアを、他の論文から借用すること。【鉄則1】自分を高めるための手段として論文書きを位置づけましょう。【鉄則2】資料をさがすのに時間に惜しんではならないです。論文を書く上の教養問題【鉄則3】剽窃は自分を高めるチャンスを自ら放棄する愚かな行為です。誇り高い生きたいなら、決して行ってはならない。1.2論文の態度ーーまず謙譲な態度をもって書くことーー思想は、楷書で書くべきことーー書いたものを誰が読んでも誤読・誤解をしないこと昔の中国:文章乃经国之大业文章乃不朽之盛事1.3論文の技法(1)何よりも、まず「言語の純粋さ」を守ること(2)研究成果をできる限り正確に伝えること(3)精確な内容を平易な言葉で短くで書くこと(4)繰り返しの多い冗漫な文章になってもいけない2.卒業論文に覚えてほしいことポイント1:発見――新しい景色が見えてくる感じ「見つけた!」というあの感じポイント2:役には立たない――実学と異なり、虚学ですポイント3:役に立つ――社会人として必要とされる課題処理能力の基礎はできているポイント4:自己表現――学問的な厳密さをおろそかにしていいポイント5:十年後の自分のために書く――あなたが生涯持ちつづけていくかもしれない興味の糸口をさぐる作業です。3.すぐれた卒業論文とは一生懸命取り組んだ論文?苦労して資料をたくさん集めてまとめた論文?より高度な理論や分析手法を扱った論文?(1)提起された問いが優れたものか?鋭いものかどうか?(2)斬新な回答が与えられているか。(3)回答は説得的なデータと論理によって裏付けら