ほぞについて田中尚人研究室賈磊川上友貴2014/5/26(月)建築プレゼンテーション1.枘(ほぞ)とは1.枘(ほぞ)とは木材や石材などの2部材を接合あるいは組み合わせる継手・仕口において、片方の材の端に造りだした突起。これを差し込むため他材に彫った穴を枘穴という。<補足>「継手」「仕口」とは・・・・「継手」とは、木材と木材を同方向に延長させるための組手。・「仕口」とは、木材と木材を角度をもたせて継ぎ合わせる接合補法。それぞれの接合部に凹凸状の加工を施し、他界に組み合わせる。1.枘(ほぞ)とは太古二又の自然木の柱に桁または梁を架けて縄で縛って固定する接合方法縄文時代前期木材を加工する技術が出現したと見られ、道具と木材加工技術が進歩木材加工技術の進歩とともに、継手・仕口などほぞ・ほぞ穴を利用した、より合理的な接合方法が用いられるようになった。1.枘(ほぞ)とは<ほぞの長所>・仕上がりの美しさ(接合部分が隠れる、若しくは目立たない)・釘を使わずにすむことから、建築物であっても分解し再度組み立てることができる。また、損傷及び腐食部分のみ削り、その他の部分を再利用できる。・耐久性に無理がない・仕口等に外圧が加わると、木材の内部摩擦により外から加えられたエネルギーを減衰する・金具を使わないことで、その後の建築にほとんど規制がかからない<ほぞの短所>・形状が複雑なものは加工手間がかかる・接合強度が材質そのものの強度に左右されやすいため、接合強度が定量的に判断できない・木材であれば、湿気に敏感である・強度が金具に及ばない2.枘(ほぞ)の種類2.枘(ほぞ)の種類ほぞには数多くの種類があるが、はじめは直角枘、燕尾枘の2種類に分類された。直角枘燕尾枘2.枘(ほぞ)の種類直角ほぞ①2.枘(ほぞ)の種類直角ほぞ②2.枘(ほぞ)の種類燕尾ほぞ①2.枘(ほぞ)の種類燕尾ほぞ②2.枘(ほぞ)の種類直角ほぞ・燕尾ほぞの混合2.枘(ほぞ)の種類家具に使われるほぞ①2.枘(ほぞ)の種類家具に使われるほぞ②2.枘(ほぞ)の種類家具に使われるほぞ③2.枘(ほぞ)の種類家具に使われるほぞ④円棒ほぞなど2.枘(ほぞ)の種類家具に使われるほぞ④2.枘(ほぞ)の種類家具に使われるほぞ⑤以上のようなほぞを組み合わせて特殊な形が造られている。2.枘(ほぞ)の種類子どものおもちゃとしてのほぞここまでのまとめ◆ほぞは構造面での柔軟性の他、大きなメリットとして仕上がりの美しさ(接合部分が見えないことがほとんど)が挙げられる。◆強度があり、木材の特性を最大限に活かすことができることからも、現代まで使われ続けている。◆ほぞには様々な種類があり、家具・建築における役割(箇所)により、使い分けられている。◆建物でも分解して再び組み立てたり、木に若干の加工を加えて再利用することができる。発展して、おもちゃとしても使われるようになっている。3.実際の建築における枘(ほぞ)3.実際の建築における枘(ほぞ)3.実際の建築における枘(ほぞ)3.実際の建築における枘(ほぞ)3.実際の建築における枘(ほぞ)3.実際の建築における枘(ほぞ)3.実際の建築における枘(ほぞ)<奈良シルクロード博覧会>3.実際の建築における枘(ほぞ)<出雲体育館>3.実際の建築における枘(ほぞ)3.実際の建築における枘(ほぞ)4.現代に変わる枘(ほぞ)~見せるほぞ~4.現代に変わる枘(ほぞ)~見せるほぞ~「ほぞ」と聞いて最初に浮かぶイメージ→枡や寺社仏閣の軒下など、“見られる”ことを意識したほぞより自然な接合の姿を理想とする=見せない“見せるほぞ”の始まり4.現代に変わる枘(ほぞ)~見せるほぞ~<箸置き><箸><箸箱><薬味入れ>“見せる”ほぞが発展してきている4.現代に変わる枘(ほぞ)~見せるほぞ~→ほぞがデザインとして使われている4.現代に変わる枘(ほぞ)~見せるほぞ~隠す、つまり“見せない”ほぞであったものが、“見せる”ためのほぞに広がってきている。デザインとしての価値がより注目されるようになったと言える。まとめほぞの特徴・仕上がりの美しさ・釘を使わないことによる組立・分解“見せない”ほぞから、“見せる”ほぞへほぞの新しい使われ方建築・家具→おもちゃほぞという木を最大限に活かした加工方法により、昔からの技法でこれまで建築や家具が造られてきた。それが現代において、単に継承されるだけでなく、デザインとしての価値の発展や、建築・家具以外への利用の発展へとつながっている。