4月2日発行第123号【自動車】独自エンジン開発で三菱製エンジンを排除上海汽車は英ローバーを活用(参考:07/03/29中国青年報)三菱自工は、中国に2合弁工場、瀋陽三菱及び哈飛三菱を有し、前者は中国国内の2000-2400cc排気量エンジン市場で35%以上のシェアを、後者は小型エンジン市場でトップシェアを誇ってきた。しかし、ここ昀近、奇瑞汽車などが独自エンジン開発に目覚めたことで三菱製エンジンの中国でのシェアは大きく後退することを余儀なくされている。三菱自工としては完成車生産を拡大することで中国でのシェアを維持する方向に舵を切っている。中国の地場ブランドのBクラス車と一世を風靡した奇瑞汽車の「東方之子」はこれまで三菱のエンジンを搭載してきたが、三菱製エンジンに燃費問題が発生、昨年末に奇瑞がリコールで大量回収したことをきっかけに、奇瑞は独自エンジンACTECOの開発を手がけ成功、これまで三菱製エンジンを搭載してきた奇瑞ブランド車全てのエンジンを独自開発したACTECOエンジンに切り替えている。独自開発したACTECOエンジンは、昨年米国市場に7000台輸出したほか、イタリアのフィアット社向けに1600cc及び1800ccガソリンエンジンを年間10万台供給することで契約を締結するなど海外での評価も比較的高い。華晨汽車や吉利汽車も奇瑞の後塵を拝している訳ではない。先日、華晨汽車は1800ccTタービン増圧ガソリンエンジンの量産を実現、同社の尊馳ブランドに搭載を開始している。同エンジンは華晨がエンジンコンサルタントで有名なドイツのFEV社と提携し開発したものだが、華晨が全ての知財権を有している。一方、吉利汽車は、1300cc、1400cc、1600ccエンジンで既に独自開発を成功させており、生産もしているが、今後は2000~3000ccエンジンも開発する計画である。付属の変速器も同時に開発する計画である。上海汽車の独自エンジン開発戦略は他社と若干趣きを異にしており、英ローバー社から買収した2車種(ローバー75、25)の車体/エンジンの知的財産権を有効活用している。上海汽車が独自開発したブランド車「栄威」は正にローバー75及び25の車体・エンジンをモデルチェンジさせたもので、上海汽車の英国R&DセンターRICADO2010はローバーの元社員が残留・転籍しており、その多くがエンジン及び変速器の専門家である。上海汽車は2010年には30万台の独自エンジン及び20万台の独自ブランド車の生産を目標に掲げている。独自エンジンの10万台は海外メーカーに輸出する計画である。東風柳州汽車を含む複数の中国地場ブランドメーカーも三菱製エンジンの搭載中止、上海汽車の独自エンジンへの切り替えを決めている。【車載電子】台湾IEK:車載IC市場の持続的成長を楽観粗利益率は50%以上(参考:中国電子部品産業協会07-3-28)台湾工研院(ITIS)経済情報センター(IEK)電子ユニットアナリスト趙祖佑氏は、今年の車載半導体市場の展望と題した報告を発表し、現在の新車1台当たりの出荷時の車載ICコストは310米ドル前後であるが、2010年には同コストは350米ドル前後に拡大する、年平均成長率は3~4%と持続的成長をするとの見通しを示した。点火制御、燃料松島日中ビジネスアイ株式会社MatsushimaJapan-ChinaBusinessEyeLtd.1〒919-0812福井県あわら市柿原37-77TEL:0776-73-1861FAX:0776-73-1862E-mail:nmatsu@mx3.fctv.ne.jpHomepage:~nmatsu/4月2日発行第123号制御、手動/自動無段変速、定速ナビ、前方照明制御、タイヤ空気圧センサなど、車載電子システムの高度化により車載半導体市場は今後持続的に高速成長することが確実視されている。昨年の世界の車載IC市場は123億米ドルだったが、今年は132億米ドル、2010年には172億米ドルに達する見通し。2005~2010年の年平均成長率は9.55%で、通信機器用IC市場の同成長率10.99%、及びPC・ゲーム機用ICの同成長率10.06%を若干下回るものの、世界の電子産業を牽引する新たな原動力となることが期待されている。また、車載IC市場は世界のIC市場全体の僅か6~7%を占めるに過ぎないが、その応用領域・付加価値の高さから40~50%以上の高い粗利益率を記録しており、情報通信機器領域以上の高い潜在成長力を秘めている。台湾メーカーもここ数年で車載電子市場の急成長に注目し始めており、大手は今後数年車載電子製品の生産を大幅に拡大する計画である。【自動車】2007上海自動車、部品工業展が4月24-28日開催(参考:新民晚報07/03/28)4月24-28日、中国自動車アフター市場聯合会、中国自動車工程学会自動車製品分会、上海市自動車工業協会、上海市自動車部品流通業協会主催の2007中国上海自動車、部品工業展覧会が上海で開催される。500社余りが出展、展示面積は4万平米。【車載電子】米iSuppli:車載デジタルテレビ市場、2012年には1000万台以上に(参考:中国電子部品産業協会07-3-28)iSuppliは、2012年には世界の車載デジタルテレビ出荷量は、DVB-H式が597万台、ISDB-T式407万台で計1000万台に達すると予測。【電子部品】電子部品の価格見通し、全体的に第3四半期に底を打ち回復軌道に(参考:中国電子部品産業協会07-3-29)世界経済の減速、中でも住宅需要の減速、そして高止まりする石油価格、不安定な中東情勢など、消費者の消費志向は保守的になりつつある。民生用電子機器需要の伸び悩みから、NANDフラッシュメモリは在庫が過剰気味になり価格が大幅に下落している。その一方で、需給がタイトなコンデンサなどの電子部品は価格が相対的に安定している。今後については、あと1四半期は消費が抑制される状況が続くものの、抑制は長期化することはなく、第3四半期には消費が上向いてくる可能性が大きい。iSuppliは今後2四半期の消費動向を注意深くウォッチする必要があるとしており、第3四半期に需給バランスに变化が生じると見ている。iSuppliの各種電子部品の価格見通しは以下の通り。1.パッシブ電子部品【セラミックコンデンサ】ここ数ヶ月のセラミックコンデンサの需給は大きく改善している。村田、TDK、太陽誘電、京セラなどが大容量コンデンサの生産を開始したためで、iSuppliは今後ローエンドの大容量コンデンサの価格は今後数ヶ月以内に下がり始めると見ている。ただ、一部松島日中ビジネスアイ株式会社MatsushimaJapan-ChinaBusinessEyeLtd.2〒919-0812福井県あわら市柿原37-77TEL:0776-73-1861FAX:0776-73-1862E-mail:nmatsu@mx3.fctv.ne.jpHomepage:~nmatsu/4月2日発行第123号のハイエンド製品については当面価格は高止まりする可能性が大きい。低品質のNPO(温度補償型)製品については、今後も価格の下落が続くようであれば、日本のメーカーは減産に踏み切る模様。中国地場メーカーも長期的には減産を余儀なくされる見通し。【タンタルコンデンサ】タンタルコンデンサ価格は安定している。ただ、需要の減速に伴い、iSuppliは今後2四半期は何れの製品でも価格の下落が進むとしている。Kemet、AVX、Vishayなどの生産能力が需要を若干上回る傾向にある。特にローマージンのESR(等価直列抵抗)製品では各社のシェア争いが激化しており、下落傾向は一層強まることが予想される。【アルミ電解コンデンサ】アルミ電解コンデンサの需給バランス、価格も安定している。特に日本のメーカーが得意とする薄型テレビ電源用の高電圧コンデンサの需要は旺盛で価格は上昇傾向にある。汎用コンデンサの需要は需要減速により価格は横ばい傾向。汎用コンデンサについては価格は下落が続く見通しで、一部メーカーは赤字に転落する可能性がある。日本のメーカーは汎用コンデンサの生産を停止する方向で動いている。【抵抗器】抵抗器市場も比較的安定している。季節性の需要減で在庫量は正常水準に戻っている。0805、1206、高電流チップ抵抗器の需給が若干タイトになっている。短期的にはタイト感は残るが、長期的には需給は安定推移すると見ている。【コネクタ】中国の旧正月休みが終わり、中国工場の生産が正常化、需要も正常水準に戻っている。携帯電話用、PC用のコネクタは依然好調、ただ昨年同期に比べると若干減速している。今年第2四半期の需要は平年並みだが、第3四半期以降には需要は回復する見通し。【フェライト】標準固定フェライト及びチップインダクタの需要は若干減少しているが、携帯電話・デジカメバッテリ用の小型コイル部品には依然強い需要がある。全体としては今年上期の価格は若干下落傾向にあるとしている。2.周波数制御【水晶体】旧正月以降、水晶体の需要は減速、特に携帯電話用で落ち込みが大きい。価格はやや下落気味である。需要は第2四半期末には再度回復してくる見通し。ハイエンド携帯電話用部品の3.2×1.5ミリ製品の需要は堅調。ブルートゥース及びLANモジュールの2.5×2.0ミリから2.0×1.6ミリへの移行は順調に進んでおり、価格は徐々に低下する見通し。製品の生産能力も拡大していることから、当面この領域での品不足は生じない模様。【温度補償型振動体】旧正月以降、需要が伸び悩んでいる。携帯電話市場の伸び悩みに伴い、この状況が暫く続くと見ている。第3四半期以降も、価格の下落が続く可能性が大きい。需要はGPS用2.5×2.0ミリに集中する見通し。【電圧制御型振動体】上記の温度補償型同様、電圧制御型も需要が縮小している。ブルートゥース、DVDの松島日中ビジネスアイ株式会社MatsushimaJapan-ChinaBusinessEyeLtd.3〒919-0812福井県あわら市柿原37-77TEL:0776-73-1861FAX:0776-73-1862E-mail:nmatsu@mx3.fctv.ne.jpHomepage:~nmatsu/4月2日発行第123号需要が減少している。一方、一部ネットワーク需要は依然旺盛。全体的には振動体価格は下落基調。【フィルタ】小型の2.0×1.6ミリ携帯電話用フィルタの需要が引き続き旺盛で拡大し続けている。今年一杯、小型フィルタの需要は拡大基調が続く見通し。ただ、SAWフィルタ全体の需要は縮小基調に入り、全体の価格は下落する可能性がある。3.メモリ【NORフラッシュメモリ】(ランダムアクセスが高速、携帯用記憶装置などに使用)第3四半期以降に価格が上昇するかに今年の命運がかかっている。ここ数ヶ月、需給にタイト感はなく、価格は横ばい傾向。【NANDフラッシュメモリ】(NOR型に比べランダムアクセスが遅い)価格の下落傾向が続いている。SanDiskが10%のリストラを発表するなど、激しい価格競争が続いている。需要伸び悩みと過剰在庫が当面続く見通しで、今年上期はNANDメーカーにとっては厳しい環境が続く。【SRAM】(RAMメモリの一種。高速に動作する。しかし、集積度を上げにくい)今年はSRAM市場は堅調。主に光通信ネットワークや携帯電話市場で高性能SRAMの需要が拡大しており、価格も上昇傾向にある。メーカー側も製品構造をタイムリーに市場に合わせて調整しているため、リードタイムが短縮されている。【EEPROM】(電気的に内容を書き換えることができるROMメモリ)一部特殊密度製品の価格は上昇している。需要も拡大しており、複数サプライヤによるパラレル製品のリードタ