第一话1、彼かれと出会であった瞬間しゅんかん、私わたしの人生じんせいが変かわったの。見みるもの聞きくもの…感かんじるもの。私わたしの風景ふうけい全部ぜんぶがカラフルに色付いろづき始はじめたの。世界せかいが、輝かがやきだしたの。和他相遇的瞬间,我的人生就改变了,所见所闻所感,目之所及全部开始变得多彩起来,全世界都开始发光发亮。2、僕ぼくにはモノトーンに見みえる、譜面ふめんのように、鍵盤けんばんのように…在我看来,一切都是单调乏味的,就像曲谱一样,像琴键一样...3、14歳さいの春はる、僕ぼくは君きみと走はり出だす。14岁的春天,我和你一起向前奔跑。第二话1、暴力上等ぼうりょくじょうとう、性格最低せいかくさいてい、印象最悪いんしょうさいあく、でも、彼女かのじょは美うつくしい。蛮横暴力,性格又差,印象糟糕透顶,但是,她好美。2、演奏えんそうを終おえたバイオリニストが、待まつ人の元もとへと駆かけよって来くる、人ひとだかりをすり抜ぬけ、花はなを抱かかえ、まるで…映画えいがのワンシーンのようだ。僕ぼくは、友人ゆうじんA役やくだったけど。结束演奏的小提琴手,向等待她的人飞奔而来,穿越层层人潮,手中怀抱鲜花,就好像...电影的特写镜头般。只不过,我是路人角色友人A罢了。3、気きが付つけば、茜色あかねいろの雲くものスクリーンに、まぶたの裏うらの暗幕あんまくにリフレインする、何度なんども…何度なんども…何度なんども…その度たびに僕ぼくの心こころは、母かあさんが僕ぼくに残のこしたものが、散ちっていくようで、もう一度いちど聴ききたいけど、聴ききたくない、もう一度いちど、会あいたいけど、会あいたくない、こういう感情かんじょうを、なんて言いったかな、こういう気持きもちを、なんて言いったかな、君きみは春はるの中なかにいる。当我注意到的时候,已成茜色的云幕中,反复演绎着跳动在我心底的旋律,一直...一直...一直...每当此时,在我心中扎根的,母亲所留下的一切,都随风而逝了,我想再听一次,但又不想再听到,我想再见她一次,但又不想再见她,这种感觉,该如何名状,这份心情,又该如何言喻,你驻足于一片春色中。第三话1、ピアノの音おとが…聴きこえないんだ、ありがちな話はなしでしょ、初はじめはね、聴きこえてるんだ、でも、途中とちゅうから、集中しゅうちゅうするほど、その演奏えんそうにのめり込こむほど、奏かなでた音おとは春風はるかぜにさらわれた花はなのように、もつれながら、遠とおざかって消きえてしまう、聴きこえないのは僕ぼくの演奏えんそうするピアノの音おとだけ…きっとこれは、罰ばつなんだ。因为我...听不到钢琴的声音了,很俗套的情节吧,开头还是听得到的,但是,中间开始,越是集中精神去听,越沉浸其中时,弹奏出的音节就好像春风拂花一般,随风而逝,渐行渐远,听不到的只有我自己所弹奏的音节而已,这肯定...是惩罚。2、君きみといると、渡わたりの言いっていたことがなんとなく分わかる気きがする、食たべ物ものに恋こいをして、バイオリンに恋こいをして、音楽おんがくに恋こいをして、たから君きみは輝かがやいているのかな、こういう気持きもちをなんて言いったかな、これは多分たぶん…こういう気持きもちは憧あこがれっていうんだ、きっと、君きみは春はるの中なかにいる、かけがえのない春はるの中なかにいる。和你在一起,我感觉好像能明白阿渡说的话了,爱着食物,爱着小提琴,爱着音乐,所以你才散发着光芒,这种感觉,要何以言表呢,这大概就是...这种感觉大概就是憧憬吧,一定是的,你驻足于春色之中,于那独一无二的春色之中。3、何なにも聴きこえない暗くらい海うみの底そこにいるように、誰だれもいない、暗くらい、暗くらい、助たすけて、音おとが聴きこえないよ、誰だれか、助たすけて、僕ぼくは、暗くらい海うみの底そこでまた一人ひとりぼっちになる。仿佛身处寂静的大海深处一般,四周空无一人,好暗,好暗,救救我,我听不到声音,谁来,救救我,我独自,沉沦在暗无天日的海底。4、挫くじけそうになる私わたしを支ささえてください。拜托你帮帮受挫的我吧5、僕ぼくの住すんでいる街まちは、カラフルに…色付いろづいている。我所居住的街道,变得...多姿多彩起来。第四话1、天真爛漫てんしんらんまん、奇想天外きそうてんがい、ジェットコ—スタ—みたいに、僕ぼくは振ふり回まわされてばかり、この人ひと自身じしんが行いき先さきのわからない旅たびのよう、君きみは、自由じゆうそのものだ。天真烂漫,异想天开,就像坐云霄飞车一样,她总是把我绕得团团转,她本身就是一条不知通往何方的旅途,你就是,自由。2、僕ぼくたちのための静寂せいじゃく…ここにいる全すべての人ひとが、僕ぼくらが音おとを鳴ならすのを待まっている。为我们而存在的寂静,在座的所有人,都在等待我们的演奏。3、大丈夫だいじょうぶ、私わたしたちならできる、弾ひかなきゃダメなの、でも君きみがいいの、私わたしは全力ぜんりょくで弾ひく、聴きいてくれた人ひとが私わたしを忘わすれないように、私わたしは演奏家えんそうかだもの、この先さきは暗くらい夜道よみちだけかもしれない、それでも信しんじて進すすむんだ、星ほしがその道みちを少すこしでも照てらしてくれるのを、さあ、旅たびに出でよう。没问题的,我们一定能做好,不能不弹啊,但是你就可以了,我会全力演奏的,为了那些倾听我演奏的人永远记住我,毕竟我是演奏者啊,或许前路永夜,即便如此我也要前进,因为星光即使微弱也会为我照亮前途,好了,我们上路吧。4、乾かわいた冷房れいぼう、ほこりの匂におい、僕ぼくは…旅たびに出でる。干燥的冷气,荣誉的味道,我在其中...踏上旅途。第五话1、僕ぼくらは本選ほんせんに進すすめなかった、前代未聞ぜんだいみもん、ハプニング満載まんさい、失格しっかくするのは至極当然しごくとうぜん、審査しんさ対象外たいしょうがい、演奏えんそうの中断ちゅうだん、最悪さいあくの事態じたい、全部ぜんぶ僕ぼくのせい、君きみは恨うらみ言ごと一ひとつ言いわない、責せめられる方ほうがずっと楽らくなのに。我们没能进入决赛,前所未闻,状况不断,失去资格是理所当然的,失去获评资格,中断演奏,状况恶化,都是我的错,你却毫无怨言,她要是骂我一顿我还会好受点。2、ピアノは君きみのほんの一部いちぶ、でもあの瞬間しゅんかん、確たしかに、ピアノは君きみの全すべてだった、それを無理むりやり引ひき剥はがそうとしてる、手脚てあしをもぐ様ように、だから痛いたくて痛いたくて仕方しかたない、苦くるしくって、苦くるしくって、仕方しかたないって顔かおしてる、君きみは忘わすれられる?ううん、絶対ぜったいに無理むり、私わたしたちはあの瞬間しゅんかんのために生いきてるんだもん、君きみは私わたしと同おなじ演奏家えんそうかだもの、前代未聞ぜんだいみもん、ハプニング満載まんさい、でも、ここにいる人ひとたちは、私達わたしたちのことを忘わすれないでいてくれる、私わたし、忘わすれない、死しんでも忘わすれない、ありがとう、君きみのおかげ、君きみが伴奏ばんそうしてくれたから、君きみがピアノを弾ひいてくれたから、ありがとう、有馬公生君ありまこうせいくん。钢琴是你的一部分,不过那一瞬间,钢琴确实成了你的全部,但你却硬要将它从身上剥离,就像要自断手足一般,所以你才会疼痛得无法自抑,露出痛苦得无法自抑的神色,你能忘怀吗?不,肯定不能的吧,我们就是为了那一瞬间而生的啊,你和我一样是演奏者,前所未闻,状况不断,但是,在场的所有人永远不会忘记我们,我,不会忘记的,至死也不会忘记,谢谢你,多亏了你,正因为有你的伴奏,因为你为我弹奏了钢琴才有了这一切,谢谢你,有马公生君。3、容赦ようしゃのない人ひとだ、その真まっ直すぐな瞳ひとみ、その後うしろ姿すがたですら諦あきらめることを許ゆるしてくれない、支ささえられていたのは、僕ぼくだ、ありがとう、ありがとう。真是直接的人啊,那坦率的眼神,就连那背影都令人无法舍弃,被支持的人,是我啊,谢谢你,谢谢你。4、僕ぼくの心こころを見み透すかしたように、君きみはいつも突然とつぜん、現あらわれる。就好像看透了我的心思一般,你总是突然,出现。5、君きみの言いうことすること、すべてキラキラ輝かがやいている、僕ぼくは眩まぶしすぎて、目めをつぶってしまう、でも憧あこがれずにはいられない、自分じぶんの音楽おんがくが届とどいたあの瞬間しゅんかん、忘わすれられるはずない。你的所言所行,全都闪耀着光芒,太过刺目,于是我闭上双眼,但内心还是无法停止对你的憧憬,自己的音乐传达给别人的那个瞬间,不可能忘得掉。第六话1、音おとが聴きこえなくなって、ピアノを捨すてようとする君きみ、ピアノを拠より所どころとする君きみ、だから目めを背そむけるように、ほこりや本ほんで覆おおい隠かくそうとしている、愛いとしいけれど近付ちかづけない、恋こいしいけれど触ふれられない、悲かなしいのに、痛いたいのに…私わたしはそれに気付きづかないフリ、「ピアノを弾ひいて」「頑張がんばって」なんて無責任むせきにんな言葉ことばばかり、私わたしのせいで苦くるしんでる、ごめんね、ごめんね。听不到琴声后,想要舍弃钢琴的你,把钢琴当成心灵依靠的你,所以就像为了眼不见为净一样,用灰尘和书来遮住它,就算喜欢也无法接近,就算喜欢也无法碰触,明明你很悲伤,很痛苦...我却一副完全没注意到的样子,净说让你弹琴,让你加油这种不负责任的话,你因为我而痛苦,对不起,对不起。2、そのほこりを取とり払はらってくれたのは、君きみだよ、苦くるしそうか、困こまったな、苦くるしいのは当あたり前まえなんだけどな、僕ぼくは海図かいずの無ない航路こうろを行いくんだろう、挑戦ちょうせんするのも生うみ出だすのも苦くるしいよ、でも充実じゅうじつしてる、だから、ありがとう。为我拭去那层灰的人,可是你哦,我看起来很痛苦吗?真伤脑经啊,痛苦是当然的,因为我航行在没有海图的海面上啊,但是很充实,所以,谢谢你。3、もう、ずっと前まえから僕ぼくの世界せかいは変かわっていた、ただ気付きづかなかっただけ、僕ぼくと出会であってくれて…あの日ひから、僕ぼくの世界せかいは、鍵盤けんばんでさえ…カラフルになっていたんだ…我的世界很早之前就变了,只是我一直都没发现罢了,与你相遇,自那日开始,我的世界,就连琴键...都开始变得多姿多彩起来。4、友達ともだちを好すきな女おんなの子、銀色ぎんいろの月つきから隠かくれるように、音楽室おんがくしつに二人ふたり、夜よるの中なかに、僕ぼくら二人ふたりしかいないみたいだ。我和喜欢我朋友的女孩子,像要隐没与银色月光下一般,两人独处在音乐室,就好像这片夜色中,只有我们俩一般。5、負まけて悔くやしいのに、落おち込こんでるのに、足あしが痛いたいのに、目めが涙なみだでぐしょぐしょなのに…最悪さいあくなのに、どうして星ほしがこんなにきらきらしてるんだろう、髪かみから音楽室おんがくしつの匂におい、少すこし荒あらい息いきづかいが聞きこえる、涙なみだで濡ぬれた肩口かたぐちが暖あたたかい、私わたしは、側そばにいる、このまま時間じかんが止とまればいいのに。明明因为输球而很不甘心,很失落,脚很疼,眼眶因泪水而湿润...明明糟糕透了,但是为何星光却如此闪耀,发尾传来音乐室的味道,能听到稍显急促的呼吸声,被泪水濡湿的肩膀很暖,我,在他身边,如果时间能就此停止该有多好。第七话1、君きみは、お母かあさんの影かげなんかじゃないよ、君きみは君きみだよ、君きみらしく…なんて曖昧あいまいなものじゃない、何なにやったって、変かわったって、カンケーない、君きみは、どうせ、君きみだよ。你并没有存在于你母亲的阴影之下哦,你就是你,有你的特点,并不是什么其他人的附属品,和你做了什么,改变了什么毫无关系,你,就只是你而已。2、気きが滅入めいってるときは頬杖ほおつえをつくといい、腕うでは役やくに立たつのが嬉うれしいんだ。灰心丧气时就用手托着下巴,你会为双手能派上用处而感到高兴的。3、悩なやんで迷まよって苦くるしんで…たどら着ついた答こたえは、笑わらっちゃうくらいシンプルで…烦恼着