1品質センター品質保証課2目次1.是正処置と予防処置2.設計審査3.水平展開4.なぜなぜ分析5.FTA(FaultTreeAnalysis)6.FMEA(FailureModeandEffectAnalysis)3◆是正処置の実施で必要な事項①不適合(顧客からの苦情を含む)の内容確認②不適合の原因の特定③不適合の再発防止を確実にするための処置の必要性の評価④必要な処置の決定及び実施⑤とった処置の結果の記録⑥是正処置において実施した活動の評価是正処置◆是正処置とは現存している不適合、欠陥または他の望ましくない状況の発生を防止するために、その原因を除去する処置[是正処置と予防処置]4◆予防処置の実施で必要な事項①起こりうる不適合及びその原因の特定②不適合の発生を予防するための処置の必要性の評価③必要な処置の決定及び実施④とった処置の結果の記録⑤予防処置において実施した活動の評価予防処置◆予防処置とは潜在している不適合、欠陥または他の望ましくない状況の発生を防止するために、その原因を除去する処置[是正処置と予防処置]5設計審査(DesignReview)◆設計品質のよしあしを評価・検証する仕組み設計時点での評価結果を総合して、設計品質の客観的な確認を“組織的に行なう”こと。◆製品品質の大部分は、その構想・概念設計・基本設計段階にて決定される設計の初期の段階から関係者の多様な観点と幅広い視野の専門知識を活用し、事前に評価・改善をおこない設計に反映させ、製造段階に移行しなければならない。(設計図面のみの検証では見抜けない事例)・加工してみないとわからないトラブル・組立しないとわからないトラブル・テストしてみないとわからないトラブル・実際に使用してみないとわからないトラブル◆後工程の短縮・品質向上およびコスト低減等につながる近道である。[設計審査]6水平展開◆着眼点-同じような構造の機械はないか-同じような作業方法をしているものはないか-同じような材料を使っているものはないか-同じような設計をしている製品はないか◆水平展開とは再発防止の対策を類似の製品・仕事に応用して、同様な不適合の発生を防止するための処置[水平展開]7発生要因を洗い出し、発生経路を特定するFTA(FaultTreeAnalysis:故障の木解析)勘(直感)と経験を活かしながら、論理的に!特定された要因の根本原因を掘り起こすなぜなぜ分析原因解析の手法[なぜなぜ分析/FTA]8◆不具合の原因追求のために、「なぜ?」、「なぜ?」、・・・と繰り返し、原因の原因を逐次追究して、根本原因を探り当てるために活用される◆不具合の原因追究・どういうふうにして不具合に至ったか(過程の解明)・不具合が起きる可能性を見つける・不具合現象に至る原因は、複数の要因を連結させて考える必要がある(不具合現象を引き起こす原因が多数あって、そのうちの一つに他の原因や条件が重なって起きる)◆手順・「不具合の現象」を、具体的に表現する(何が、どう悪かった)・「不具合の現象」に対して、「そのようになった原因は何か?」、「そのまた原因は何か?」、「そのまた原因は?」、・・・・・・と繰り返し追及する。(5回程度)・なぜなぜを繰り返して、最終的に仕組み・ルールにたどり着くように分析するなぜなぜ分析とは[なぜなぜ分析]9現象(区分)なぜ(1)なぜ(2)なぜ(3)なぜ(4)なぜ(5)対策水平展開端子間の電気的導通が不安定発生原因(設計・部品・組立・管理)接点部に異物付着接点加締め治具に異物付着飛散塵埃が治具に付着生産現場に塵埃が飛散塵埃が生産現場に存在・生産現場の清掃のルール化(×月×日実施)・(異物の分析・源流対策を行うこと)他の生産現場にも清掃ルール適用流出原因(設計・部品・組立・管理)電気検査の不良判定品が流出した不良判定品が良品に混入した検査者が誤って不良判定品を不良箱に入れず、良品として次工程へ流してしまった・電気検査の製品排出を自動化し、不良品は赤箱へ、良品はコンベアーラインへ排出するようにした他の電気検査機にも適用ハード原因(人・設備)接点間に異物付着接点加締め治具に異物付着治具接点加締め部形状は塵埃が付着しやすい加締め作業ワンパンチごとに接点置き部をエアーブローするよう治具を改造(×月×日実施)他の接点加締め治具にも適用ソフト原因(規定・基準・手順・管理監督)接点間に異物付着接点加締め治具に異物付着始業点検時に治具の清掃をしていない治具の清掃ルールがない・治具の清掃ルール・手順を決めた(×月×日実施)他の加締め治具にも清掃ルール適用環境要因(生産環境・作業環境)塵埃が生産現場に存在塵埃が生産現場に持ち込まれる部品梱包材に塵埃付着部品梱包場所に塵埃が存在・部品生産業者に梱包材と梱包場所の清掃指導(×月×日実施)・部品倉庫の入庫・出庫時に梱包材の清掃ルール化(×月×日実施)他の部品梱包についても指示(作成年月、作成部門、作成者)なぜなぜ分析:事例[なぜなぜ分析]10人、設備・生産設備、検査機器の始業点検項目の抜け・生産設備の加工能力の見極め不足(ばらつき)・生産設備加工作業出来栄え確認の不足・生産設備の動作・機能の確認不足・使用工具(はんだこて)の指定不備・作業者に対する指導不足主な原因事例(1)[なぜなぜ分析]11規定、手順書、管理方法・部品不良に対する流出原因・対策の抜け・図面(設計ミス)・作業標準書の不備・図面・文書管理システムの不備・検査項目の指示抜け・設計検証内容の不備・部品の使用数量確認不備・工程品質異常処置ルールの教育不足・修理品の処置ルールの不備主な原因事例(2)[なぜなぜ分析]12作業環境、等・作業場所の照明不足・防塵対策の不足・作業場所の騒音大・ラインスピードの速過ぎ・作業者の疲労・単純作業の継続による作業者の不注意・過剰な作業工数(多すぎる検査項目)主な原因事例(3)[なぜなぜ分析]13◆複合要因を扱うことができ、人間的要因(誤操作、見落とし、操作忘れ等)も含めることができる◆好ましくない事象(トップ事象という)を明らかにして、その要因を逐次下位レベルへと基本事象にまで展開し、因果関係をトップダウン方式により定性的、定量的に明らかにする手法◆因果関係を論理ゲートの記号を用いて樹木構造として明示するため、トップ事象に至るメカニズムをボトムアップの視点からも明確にできるFTAとは[FTA]14◆安全性、信頼性、危機管理などの予測評価◆問題発生後の原因究明◆トラブルシューティングとして整備マニュアルへの活用◆解析技術の不良(故障)メカニズムの事例として蓄積用途[FTA]15◆トップ事象の条件-下位の事象を包括している(基本事象では展開できない)-明確に事象の内容が定義できる(計測可能)-設計上、技術上対応できる事象(対応できないものは展開しても意味がない)◆解析対象とする起きて欲しくない事象(結果)-安全性-システムや社会に大きな損害-製品機能の達成を損なうトップ事象[FTA]16呼称記号内容ANDゲート全入力が共存する時に出力発生(論理積)ORゲート1入力の存在で出力発生(論理和)制約ゲート条件の明示(論理積)事象基本事象以外の事象基本事象これ以上に展開されない基本的な事象条件FTAで使われる記号(1)[FTA]17呼称記号内容非展開事象情報不足により未展開通常事象通常発生する(当たり前の)事象移行記号(入力)ここから入る(連結)移行記号(出力)ここから出る(連結)特記事項PCで書く場合、意味が明確になっていれば、別の記号を使っても構わないFTAで使われる記号(2)[FTA]18スイッチSW1スイッチSW2電源CモータM<モータの回路図>CSW1SW2ブラシM1巻線M2<機能のブロック図>モータが始動しない電流が流れないモータの故障スイッチが閉じない電源の故障ブラシの故障SW1の故障SW2の故障巻線の故障(OR)(AND)(OR)(OR)FT図の事例[FTA]19コネクタ導通不良コンタクト変形による接触圧低はんだ付け部外れ素地の露出OR使用雰囲気中の腐食性ガス基板実装部導通不良ORコンタクト部腐食 水分ORめっき剥離はんだ付け不良OR嵌合部導通不良AND外部応力ORAND基板パターンの断線FTA:事例[FTA]206:各要因の上位レベルへの影響のきびしさを評価し、効果的な改善対策を検討する(フェイルセーフ・フールプルーフ化)各要因の発生確率が見積もることにより、トップ事象の発生確率が計算できる1:解析対象となるシステムの構成、機能、動作を理解する2:トップ事象(故障モード)の選定する3:2で選定した事象につながる一次原因を列挙する外部要因(人間エラー等)も考慮する4:列挙した要因と事象を論理記号(AND,OR)で結ぶ5:3、4を繰り返して、構成品レベル・部品レベルと展開し、もうこれ以上分解できないレベルまで続けFT図を書く実施手順[FTA]21対策:基本事象で発生確率の高そうなものはフェイルセーフにする検討を行う弱点:ORゲートのみでトップ事象につながっている基本事象ORゲートだけで構成するFTの場合、論理的にはすべてがトップ事象に対し1つのORゲートで結んだのと同じ形になる盲点:複数の上位事象の要因となっている基本事象があり、ANDゲートが有効に機能していないFT図に対する考察[FTA]22◆FailureModeandEffectAnalysisの頭文字◆製品や工程に対して、事前に予想される故障モードを列挙し、その中から周囲への影響度の高い故障モードを抽出して事前に対策を講じる手法(故障モード=故障の状態・形態)◆故障モードを列挙するプロセス(FM)、およびそれら故障モードの影響度を評価するプロセス(EA)に分けれる◆致命的な障害等の発生するリスクを無くす、または低減するために、何が必要かを体系的に洗い出すFMEAとは(1)[FMEA]23◆FMEAは、顧客満足を得るために設計または工程で行うべき事項を見極めるのに非常に有効である◆FMEAは、後で更に大きな問題を引き起こす可能性のある予防/是正のための変更の機会を低減または解消できるリスクを最小化するための業務プロセスである、という認識が必要単に顧客の承認を得るためにFMEAの書式に記入することが目的ではないFMEAとは(2)[FMEA]24設計FMEA部品、構成品など下位のアイテム(要素)の潜在的な故障モードが上位のアイテム、顧客に与える影響を製品の機能、性能面から評価する工程FMEA各工程の潜在的な故障モードが上位のアイテム、顧客に与える影響を人、設備、方法などの面から評価する部品,要素コンポーネントユニット(人間,ソフトウエア)故障モードサブシステムシステムFMEAとは(3)[FMEA]25フィードバック,評価,是正処置製品・工程の妥当性確認量産工程の設計・開発製品の設計・開発(品質)計画(品質)計画(プログラム承認)(試作)(量産試作)(量産)(製品概念検討開始)設計FMEA工程FMEA(量産)コントロールプラン類似製品のFMEAFMEAの位置付けISO/TS16949:APQP[FMEA]26故障モード機能(潜在的)原因◆現実のシステムは、単純な原因-影響(結果)では表せない・一つの原因⇒複数の影響・複数の原因⇒一つの影響、等◆故障モードは、考えられる全ての場合を考慮しなければならないFMEA要素間の関係[FMEA]27(影響)◆一つの事象は、解析の対象によって、原因、故障モード、影響となり得る。(システム、構成品、工程、・・・・)◆故障モードは原因と影響(結果)の間で発生する。セット動作せず設計高湿度雰囲気腐食接触不完全電流値小(原因)(原因)(影響)(原因)(影響)(原因)(影響)(原因)(影響)<事例>故障モードと故障の影響[FMEA]28◆新規設計、新規技術、新規工程・設計、技術、工程の全範囲に適用◆現行の設計または工程の変更・変更内容、変更によって起こる可能性のある相互作用およびこれまでの