第一課「まあまあ」にみる日本人の心森本哲郎授業の進め文章の構成と解釈注釈言葉と表現の学習新しい言葉新しい言葉•間投詞新しい言葉•濃淡①墨の濃淡で無限の色や奥行きを楽しむ水墨。②濃淡がいろいろ異なった色合いの赤。绘画时使颜色有深有浅。絵に濃淡をつける。新しい言葉•快晴①昨日は快晴だった。②台風一過快晴となった。③景気は自動的に快晴に向かうわけではない。开幕式当天遇上十分晴朗的好天气。開会式当日は快晴に恵まれた。新しい言葉•宥める①泣く子をなだめる。②弁護人が被告をなだめる。③高価な贈り物で彼の怒りをなだめようとした。④国民や党内改革派の不満をなだめる。缓和急躁的情绪。はやる気持ちをなだめる。新しい言葉•なんとも①なんとも言いようがない。②なんとも申し訳ありません。现在很难说•今のところはなんともいえない。新しい言葉•とんだ①とんだ目に遭いましたね。②課長はとんだたぬき親父だ。③「とんだ迷惑をかけて、すまないなあ」真是意外的灾难。とんだ災難だった。大美女。とんだ美人新しい言葉•追及①彼は私たちの責任を追及する。②彼は汚職を舌鋒鋭く追及した。③自国の国益ばかりを追求する主義はナショナリズムという。贸易的最终目的就是追求利润。ビジネスの最終目的は、利潤の追求です。新しい言葉•逆巻く①逆巻く波②もうもうとさかまく煙。③土埃が竜巻のように逆巻いた。④渦潮のように逆巻く怒り。新しい言葉•こぢんまり①こぢんまりとした船室/小屋/夏の別荘。②私が泊まっていたのはちんまりとしたホテルだった。③桃子は片手でちんまりとした鼻の下をこすった。带院子的小巧舒适的房子。庭のついた、こぢんまりした家だ。新しい言葉•見捨てる①妻子を見捨てる。②与党は金持ちを優遇し、貧しい人を見捨てた。③運河に沿って、見捨てられた人気のない工場がつづいていた。被医生放弃治疗。医者に見捨てられる新しい言葉•愛でる①花を愛でる②その勇気を愛でる新しい言葉•操る•①船を操る•②世論を操る•③五ヶ国語を操る•随心所欲地操控自己的部下。•部下を意のままに操る新しい言葉•取り巻く•①ファンに取り巻かれる•②島を取り巻く紺碧の海•首相被记者们团团围住。•首相は報道陣に取り巻かれた新しい言葉•否応なく/否応なし•①否応なく決められた•②否応なしに同意させられた。新しい言葉•欺く•①敵を欺く•花を欺く美人•如同白昼的月光。•昼を欺く光•像鬼一样的高大男子。•鬼を欺く大男慣用句感じに頼(たよ)る人の口にのぼる--に気づく内海に臨(のぞ)む逆巻く波が岸に打ち寄せる同工異曲小船を操(あやつ)る海をのし歩く海を相手にする欲を出せばきりのない暮らすにしくはない分に安んじる慣用句和(わ)を保つ己を抑制する争いを好む意表をつく一芸に秀(ひい)でる実際に見合う期待を寄せる折に触れる満足を得る言葉と表現の学習1、~ともなく/ともなしに(1)①どこからともなく、音楽が聞えてくる。②社員は、誰からともなく立ち上がって、ゾロゾロと会議室を出た。③生徒たちは夜遅くまで騒いでいたが、いつともなくそれぞれの部屋に戻っていった。④二人はどちらからともなく自由なほうの腕を組み合って、駅をめざして走り出した。言葉と表現の学習~ともなく/ともなしに(2)①どこを眺めるともなく、ぼんやり遠くを見つめている。②老人は誰に言うともなく「もう秋か」とつぶやいた。③車内に流れる低い音楽に、憂子は聴くともなく耳を傾けた。言葉と表現の学習2、~はともかく(として)①服装はともかく、容姿は平凡な少女だ。②学歴はともかく、人柄にやや難点がある。③細かい点はともかく全体的に見れば、うまく行ったと言えるのではないか。④中高年はともかくとして、若い男性には期待が持てる。言葉と表現の学習3、~ての①彼が留学できたのは、親の援助があってのことだ。2人が人を殺すというのは、よほどの事情があってのことだろう。③今回の人事異動は君の将来を考えてのことだ。④「しかし、なぐるなんて」「息子のためをおもってのことだ」言葉と表現の学習4、しかるべきA(连体词的に用いて)適当な。ふさわしい。「しかるべき人に相谈しAなさい」B(「…てしかるべき」の形で)当然である。当たり前だ。「君は谢罪して―だ」①真相解明については、しかるべき調査をやっていく。②憲法は時代の変化に応じて修正されてしかるべきだ、という意見がある。言葉と表現の学習4、しかるべきA(连体词的に用いて)適当な。ふさわしい。B(「…てしかるべき」の形で)当然である。当たり前だ。「君は谢罪して―だ」言葉と表現の学習4、しかるべき①真相解明については、しかるべき調査をやっていく。②憲法は時代の変化に応じて修正されてしかるべきだ、という意見がある。③しかるべき人に相谈しなさい。④君は谢罪してしかるべきだ。言葉と表現の学習5、~ないでは(も)ない①私は相撲も野球も知らないではないが見ない。②長い人生の中には、そういうこともありえないではありません。③考えてみれば、彼の意見ももっともだという気がしないでもない。④「何か考えでもあるのか?」「ないでもありません」言葉と表現の学習6、ならぬ①時ならぬときに客がきた。②ひとかたならぬ世話になる。③神ならぬ身の知る由もない。言葉と表現の学習7、~にしくはない①世の中は何事も、自重するに如くはない。②只今、事をやめようと思ったら、やめ去るにしくはない。③世界の流行を知りたければ、日本には数多くある啓蒙誌に目を通すにしくはない。④欲を出せばきりのない話だ。ここで安んじて暮らすにしくはない。言葉と表現の学習8、~とはいえ①春とはいえ、まだ寒い日が続きます。②知らなかったとはいえ、ひどいことをしてしまった。③諦めかけていたとはいえ、私はまだ純子に未練があった。④大分元気になったとは言え、サラリーマンとしてバリバリやる自信はない。言葉と表現の学習9、・・・つつA同時に行われる二つの行動を結びつけるBにもかかわらず。言葉と表現の学習①酒を飲みつつ談じる。②テレビを見つつ飯を食う。③危険と知りつつ激流に飛びこんだ。④その言い訳はうそと知りつつ、私は彼にお金を貸した。言葉と表現の学習10、・・・を前にして①国会議員の阿部氏は記者団を前に終始上機嫌だった。②テーブルの上の書類の山を前にして、どうしたらいいのか、途方にくれてしまった。言葉と表現の翻訳練習1、去年蒙受了您的厚情厚谊,表示衷心感谢。昨年中は並々ならぬご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。2、他打算从明年开始开一家咖啡店。但是,这也得是能够筹到足够的资金才行。彼が来年から喫茶店を経営するつもりだ。しかし、それも資金調達がうまく行ってのことだ。言葉と表現の学習3、非正常之精神。正常ならぬ精神。4、把适当的人安排恰当的任务,这就是所谓的量才任用。しかるべき人をして、しかるべき任務に就ける。これが適材適所だ。言葉と表現の学習5、不知道从哪里飘来了梅花香。どこからともなく、梅のいい香りが漂っている。6、一面看电视一面吃饭。テレビを見つつ飯を食う。言葉と表現の学習7、这次的事情只能说是你自作自受。自己种下的果,自己结果。今回のことは君の自業自得としか言いようがない。自分のまいた種は、自分で刈ってしかるべきだ。8、明知对身体有害,却还是喝酒。体に悪いと知りつつも酒を飲む。言葉と表現の学習9、有学生才能称得上是大学。如果没有学生来,课程设置安排得再好也没有意义。学生があっての大学だ。学生がこなければいくらカリキュラムがすばらしくても意味がない。10、首相预定在出发前会见记者。首相は出発を前に、記者会見を行う予定だ。言葉と表現の学習11、不知道是谁鼓起掌来,不一会儿整个会场卷入鼓掌喝彩的漩涡中。誰からともなく、拍手が起こり、やがて会場は拍手喝采の渦に包まれた。12、客人只有左知子一个人。她坐在靠窗的位子,不经意地看着外面。客は左知子一人だった。窓ぎわの席に坐り、眺めるともなく外を眺めた。言葉と表現の学習13、胜败暂且不论,努力加油吧。勝敗はともかくとして、一生懸命がんばろう。14、夫人姑且不论,丈夫可是个大好人。奥さんはともかくとして、ご主人はととてもいい人だ。言葉と表現の学習15、并不是不承认自己也有缺点。自分にも悪い点があったことは認めないでもない。16、想要知道那件事,还是不如亲自调查一下。そのことを知りたいと思うならば、とにかく自ら調べにしくはない。言葉と表現の学習17、并非不能吃纳豆,但是不怎么喜欢。納豆は食べないでもないですが、あまり好きではありません。18、学生们在考试之前非常紧张。学生たちは試験を前にして、緊張していた。言葉と表現の学習19、这一代到了晚上就很乱,最好要小心。このあたりは夜になると、物騒になるので、用心するにしくはない。20、虽说是男女平等的社会,但是在工作单位的地位和工作内容等方面上任然存在歧视。男女平等の世の中とはいえ、職場での地位や仕事の内容などの点ではまだ差別が残っている。言葉と表現の学習21、说不上来想什么,整天沉思。何を考えるともなく、一日中物思いに耽っていた。注釈1、森本哲郎日本の文明批評の第一人者として知られており、フリーアナウンサー・森本毅郎の兄としても有名。毅郎がNHKを退局してフリーになった際「組織に収まりきれないのが森本家の血筋」とコメントした。哲郎自身も東京新聞記者、朝日新聞記者、フリーの批評家、情報番組のキャスター、大学教授、再びフリーと転身している。注釈2、日本三景宮城県の「松島」、京都府の「天ノ橋立」、広島県の「宮島」という日本のなかで最も美しいと思われる三つの景勝地である。注釈注釈3、名人①技芸に優れた人。②将棋・囲碁で時の最高段位(九段)者に江戸幕府が与えた称号。現在はそれぞれタイトルの名称。一、序論第一段落「まあ」の使用例第二、三段落「まあ」の品詞、意味用法の説明第四、五段落「まあまあ」の品詞、意味用法の説明(問題提起)「まあまあ」の「だいたい」とはどのくらいの程度なのか。文章の構成と解釈質問、「まあ」と「まあまあ」の品詞と意味は何ですか。答え:「まあ」の意味間投詞・感嘆詞まず・ちょっと・感嘆詞(これ・驚く)「まあまあ」の意味副詞的・感嘆詞的大体いい・感嘆詞(驚く)明確でない・感じに頼る・暗黙のうちに理解文章の構成と解釈二、本論Ⅰ第六段落日本三景第七、八段落日本三景に共通した二つの性格質問、共通した性格は何ですか。答え:(一)海辺の景色であるということ(二)海辺の景色が皆穏やかな内海に臨むこぢんまりとした浜で目の前に小さな島か州が見える景観であること、(女性的な優しい入り江)文章の構成と解釈二、本論Ⅰ第九段落日本人が女性的な優しい入り江に心ひかれる理由。質問、日本人が女性的な優しい入り江に心ひかれる理由は何ですか。答え:「太古の日本人の恐怖を癒した入り江のイメージをずっと引きずっているから」文章の構成と解釈二、本論Ⅰ第十段落日本人海洋民族にならず、海岸民族となった。第十一段落日本人が海洋民族ではなく、海岸民族になった理由。質問、日本人が海洋民族ではなく、海岸民族になった理由はなんですか。答え:「日本という快適な島で安んじて暮らすことが、日本三景を好むことにつながる。」文章の構成と解釈第十二段落快適な島でも起きる争いーその回避策。ーー「分に安んじることによって『和』を保つことが敵と共存する道」「常に一定の限度を守ること」「己を抑制すること」文章の構成と解釈二、本論Ⅰ第十三段落日本人の心性<自分をやたらに主張しない。物事をはっきりさせて争わないこと…「まあまあ」>第十四段落<楽観的であるとともに悲観的な期待>第十五段落大山名人の長考の局面文章の構成と解釈三、本論Ⅱ第十六、十七段落名人の答え。質問名人長考の理由は何ですか。答え:うまくいきすぎる時文章の構成と解釈第十八段落「人生全般についていえる日本的な信条」第十九段落日本人の基本的精神の構えーー<実際以下に期待を抑制すること…「まあまあ」>文章の構成と解釈四、結論第二十段落「まあまあ」<その本質は抑制>第二十一段落「まあまあ主義」の