ビジネスメール作文基礎1.「手紙」と「電子メール」の区別2.メール作成のポイント3.メールの基本構成4.メールの基本マナー5.内容の基本構成6.基本以外にも気をつけること7.文例「手紙」と「電子メール」は別のもの●日本語の「手紙」というのは、日本語の「書き言葉」の伝統を色濃く継承している。伝統的な手紙の形式にのっとって書くことができるというのが、すなわちその人の社会人としての教養の証である。表書きの宛名の書き方、相手への敬称の選び方、頭語と結語をきちんと対応させる、形式的な挨拶の文句を入れる、行頭や行末に入れてはいけない文字がある、等々そのルールは複雑である。それは、電子メールという仕組みそのものの生い立ち、すなわち電子メールの文化的な背景に由来している。アメリカというプラグマティズムの国で誕生したこと、研究者間の情報交換という実用的な目的で開発された技術であることから、電子メールにおける「作法」も自然と実用性や効率を重視したものとなったのである。電子メールの場合、形式的ばった書き方はむしろマナー違反である。逆に、できるだけ簡潔に用件だけを済ませるほうがよいとされている。便箋封筒裏封筒表メール作成のポイント重要:メール作成ポイント5箇条1、メール一通、一要件とする2、最初に、自分を名乗る3、わかりやすく、簡潔に作成する4、署名を忘れずに5、送信する前に確認するメールの基本構成1.件名2.受信者名3.挨拶14.挨拶25.送信者名6.本文7.添付資料8.署名9.改行10.アドレス帳メールの基本マナー1、返信はすぐに、引用符を使うとわかりやすい。2、転送は許可が必要なときもある。3、改行で読みやすさに配慮。4、添付資料を送るには、パソコン環境を確認。5、件名は短く簡潔、具体的に6、CC・BCCを使い分け、個人情報に注意7、署名は必要最低限な情報を8、返信は24時間以内に9、返事をもらえる文章術10、相手に分かりやすい回答する返信法11、相手を不快にさせてしまうフレーズ(1)宛先BAD:A社のサトウさんに送るはずがB社のサトウさんに送ってしまった!GOOD:宛先間違いは絶対NG!アドレス帳には会社名と敬称もつけて登録し、送信前には必ず確認しよう(2)CCBAD:顧客100名のアドレスをCCに入れてダイレクトメール送信!GOOD:CCは同じメールを複数に送るとき便利だが、全員のアドレスが表示されてしまうため個人情報の流出に注意(3)BCCBAD:どんなメールもBCCで上司に送っていたら怒られてしまった!GOOD:他の受信者に知られず送信できるBCC。報告を兼ねて使うのはいいが大切な報告や共有は口頭で(4)件名BAD:件名を入れずに送ったら読まずに捨てられていた!GOOD:毎日何十通ものメールを受け取る人は、件名で優先度の判断をする。漠然とした件名は迷惑メールと思われる可能性も(5)添付BAD:画像データを10点送りたいのにエラーが出て送れない!GOOD:添付ファイルの容量には制限がある場合も。分割か圧縮して送ろう。相手先サーバーにより容量は異なるから注意(6)宛名BAD:取引先担当者の名前を間違えたまま送ってしまった!GOOD:名前の間違いは失礼なこと。会社名・敬称も省略せずに入力しよう。相手の署名をコピーするのが簡単で確実だ(7)挨拶・名乗りBAD:「拝啓時下益々…」など挨拶だけで長文に!GOOD:基本的には「いつもお世話になっております」「お疲れ様です」といった簡単な挨拶でOK。その後、自分の名前を入れよう。(8)署名BAD:絵文字を多用した署名で送ったら「ふざけているのか?」と怒られた!GOOD:署名は複数用意して使い分けるといいだろう。会社のURLや新サービスなどの情報を添えるのもお勧めビジネスメールの内容の基本構成本文の構成一、時候のあいさつ二、安否のあいさつ三、日ごろのお礼四、主文書き出しの接続詞と主文五、内容が変わるときの接続詞と続く内容六、終わりのあいさつ七、末文頭語・結語の慣用語頭語結語一般的には拝啓敬具丁寧な場合謹啓敬白ごく限られる場合急ぐ場合前略草々以上但し、初めて手紙を出す場合には使えない。時候の挨拶も省略します。返信の場合拝復敬具一、時候のあいさついつも使えるーー時下1月ー厳寒の候、酷寒の候、厳しい寒さの折2月ー余寒の候、春寒の候、寒さがまだ厳しい折から3月ー早春の候、春まだ浅いこの頃、ようやく春めいて参りました4月ー春暖の候、陽春の候、春もたけなわとなりました5月ー新緑の候、初夏の候、薫風の候、青葉かおるころとなりました6月ー梅雨の候、初夏の候、うっとうしい季節になりました時候のあいさつ7月ー盛夏の候、炎暑の候、暑さの厳しい折、暑中お伺い申し上げます8月ー残暑の候、残暑厳しい折、暑さもようやく峠をこしましたが9月ー初秋の候、新秋の候、さわやかな季節となりました10月ー秋冷の候、仲秋の候、錦秋の候、秋も深まってまいりました11月ー晩秋の候、向寒の候、朝夕めっきり冷え込む季節となりました12月ー初冬の候、寒冷の候、寒気いよいよ厳しき折、師走の候、年末ご多忙の折、本年もいよいよ押し迫りました二、安否のあいさつ貴所御社皆様ご一同貴殿(には)①ますます②いよいよ③いっそう→ご清栄ご盛栄ご繁栄ご発展→のことのよしの段→①お慶び申し上げます②お喜び申し上げます③何よりよ存じます④拝察致しますご健勝ご壮健ご清祥安否のあいさつー例文初夏の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。いよいよご健勝のこととお喜び申し上げます。ますますお元気にてご活躍のことと存じます。皆様お変わりもなくお過ごしのことと存じ上げます。ますますご清祥の段、大慶至極に存じます。時下いよいよご安泰大賀の至りに存じます。平素は日ごろいつも毎度この度は先日は→①格別の②ひとかたならない→①お引き立て②ご厚情③ご愛顧④ご高配→①をいただき②を賜り③にあずかり④をくださいまして→①お礼申しあげます②厚くお礼申しあげます③ありがとうございます④誠にありがとうございます。⑤深く感謝申しあげます三、日ごろのお礼ー日ごろのお礼ー例文日ごろは何かとお世話になり、厚くお礼申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚くお礼申上げます。よく使う:いつもお世話になっております。四、主文書き出しの接続語さて・さて、このたびはところでさっそくながら、実は早速ですが五、内容が変わるときの接続語つきましてはなおまたよく使う決まっている文型1、承知した内容の確認返事:本件、~に関するご連絡は、~~ことを承知致しました。~をご確認いただき、誠にありがとうございます。標記の件に関し、~~いただく旨を承知致しました。~~のご予定を承知致しました。~を確か受領致しました。2、当方の対応と予定、貴方への報告など:~ご指示に従って、~~を~させていただきます。ぜひ全力を挙げて対応させていただきますので、どうぞご安心願います。~に関する~を次のとおりにご報告申しあげます。ご了承の程宜しくお願い致します。~について、~したうえ、添付のとおり送付させていただきます。ご査収のうえ、ご確認いただければ幸いです。~をご送付致します。~ようにご確認のうえ、お早めにご連絡いただきますようお願い致します。~について、~させていただきたいと思います。お手数ですが、ご査収の程宜しくお願い致します。~については、2010年9月27日までにご送付いたしたく存じますので、少々お待ちくださいますよう宜しくお願い致します。それでは、更なるご連絡をお待ち致します。なお、当該~~に係る書簡等については、恐れ入りますが、弊所整理番号〇〇を明記していただきますよう宜しくお願い致します。2、当方の対応と予定、貴方への報告など:~ので、もう少しお待ちいただけますようお願い致します。何かご不明な点やご要望などありましたら、何なりとお申し付けください。~に基づいて〇〇作業を進めさせていただきます。もし何かご指示、ご要望などありましたら、お気軽にご連絡願います。~~の発行・発送は、ご指示に従って、とりあえず抑えさせていただきます。本メール及び添付資料のご受領を折り返しご返信くださいますようお願い致します。ご確認の便宜を図るために、~もご送付致します。作業中、何かありましたら、タイムリーにご連絡致しますので、その際は、どうぞ宜しくお願い致します。3、お詫びの表現:~ので、~ことができず、誠に申し訳ございません。ご迷惑をお掛けしまして、本当に申し訳ございません。弊社での~~で、大変ご迷惑をお掛け致しましたて、本当に申し訳ございませんでした。六、終わりのあいさつなにとぞどんぞ今後とも→宜しくいっそう変わらぬ→①ご指導②ご愛顧③お引き立て→①賜りますよう②くださいますよう③いただきますよう→①お願い申しあげます②宜しくお願い申しあげます③お願い申しあげ次第です七、末文まずは取り急ぎとりあえず→(書面にて)(書中を持って)(略儀ながら書中を持って)→ご案内ご通知お知らせご報告ご連絡お礼ご紹介ご照会ご返事→まで申しあげます末文の例文:取り急ぎ、受領の御礼まで。以上、受領のご返事とさせていただきます。完整邮件例文:〇〇先生/様いつもお世話になっております。ご連絡ありがとうございます。さて、今後の~について、何かご質問などありましたら、ご遠慮なくいつでもご連絡願います。ぜひいつものとおり、最善を尽くして対応させていただきます。また、~~を今週中に発行いたしたいと思いますが、何かご指示、ご要望などありましたら、お気軽にご教示願います。何卒宜しくお願い致します。完整邮件例文:〇〇先生/様いつもお世話になっております。標記の件に関し、本日付け貴メールにてご~をご送付いただき、誠にありがとうございます。このたびは、~をご依頼いただき、ご信頼に心より感謝を申し上げます。ぜひ品質保証を第一ポリシーとして、心のこもったサービスを提供させていただきます。つきましては、~に基づき、~~を開始させていただきます。また、ご指示のとおり、~~させていただきます。作業中、何かご質問などありましたら、また連絡させていただきます。なお、~に係る書簡等については、恐れ入りますが、整理番号「〇〇」を明記していただきますよう宜しくお願い致します。何かご不明な点、ご要望等ありましたら、いつでもご連絡ください。何卒宜しくお願い致します。①返信時の引用について返事を出すときには「全文引用」と「部分引用」を状況に応じて使い分けよう。「全文引用」はやり取りの経緯がわかるので便利。ただ、やり取りを続けていくうちにメールがかなり長くなってしまうのが欠点だ。質問に答えるときやアポイントの日時など重要なことを確認するときには「部分引用」を用いながら書いていこう。1つのメールに対して1つの話題が鉄則。別の話題に移るときには、引用を続けず件名も変えて、新しいメールとして書きだすのがマナー。②メール形式とはメールには、文字だけの「テキスト形式」と、色や文字サイズを自由に変えられる「HTML形式」の2種類あるが、ビジネスメールでHTML形式は使わない方が無難。少なくとも相手からテキスト形式で送られたときには同じ形式で返信しよう。HTML形式非対応のメールソフトを使用していたり、ウイルス感染を防ぐためHTML形式の表示を禁止している企業もあるからだ。メールソフトによっては初期設定がHTML形式になっているので、一度設定を見直してみよう。③私用メールはOK?会社から支給されたPCやメールアドレスは、あくまで仕事で使うためのもの。会社のアドレスを通して送受信されたメールの内容は、インターネットの接続履歴も含めて、すべて会社が管理し閲覧もできると考えておこう。特に社外とのやり取りに関しては、情報漏えい対策のため厳格に