日本文学史第二回日本文学史概観と上代文学日本文学に関する専門用語日本文学史の時代区分上代文学の概観一日本文学に関する専門用語•発展の過程•作家作品•特色地位美意識•政治経済文化文学•神話詩歌•物語•劇文学体裁背景流れ系譜ジャンル流派二日本文学史の時代区分上代文学(古代前期文学)中古文学(古代後期文学)中世文学近世文学近現代文学•1上代{~794年}ー古代前期•大和・奈良時代•2中古{794年~1192年}ー古代後期(こうき)•平安時代•3中世{1192年~1603年}•鎌倉・南北朝・室町・安土・桃山時代•4近世{1603年~1867年}•江戸時代•5近現代{1867年~現在}近現代•1明治•(1868~1912)•2大正•(1912~1926)•3昭和•(1926~1989)•4平成•(1989~)1明治2大正3昭和4平成代表作家•1明治(夏目漱石・森鴎外)•2大正•(芥川龍之介)•3昭和•(川端康成)•4平成•(村上春樹)練習:1漱石の発足1905年2芥川の自殺1927年3日本の敗戦1945年4大江のノーベル文学賞受賞1994年5川端のノーベル文学賞受賞1968年中国文学史(三古七段)先秦两汉(公元3世纪以前)日本では文学はまだない魏晋~明・半ば頃(3~16世纪)上代~中世明朝・半ば頃~五・四運動(16~20世纪初)中世~明治時代日本文学史中国からの影響古代文学(~19世紀)上代中古中世近世近現代文学(1868~)欧米に学ぶ明治・大正・昭和・平成三上代文学概観主な作品文学背景上代文学の背景1古代前期2統一した国家の成立3律令制遣隋使と遣唐使(中国との交流)万葉仮名(一)上代文学•<政治史的に>大和時代~奈良時代<支配階級>貴族文学••<精神史的に>感情•情中心時代(二)中古文学•<政治史的に>平安時代<支配階級>貴族文学••<精神史的に>感情•情中心時代(三)1中世文学•<政治史的に>鎌倉・南北朝・室町・安土桃山時代(戦争と権力の争奪による混乱した時代)<支配階級>武家(ぶけ)文学••<精神史的に>仏法•法中心時代(三)2中世の社会背景•<政治史的に>•鎌倉ー政治の実権は武士に属した•南北朝ー天皇の巻き返し•室町ー再び武士は政権をとった•安土桃山時代ー下剋上(げこくじょう)•武士天皇武士下剋上不安定な政局+戦乱隠者文学(いんじゃ)<支配階級>武家(四)近世文学•<政治史的に>江戸時代<支配階級>町人文学••<精神史的に>儒教•道中心時代(五)近現代文学•<政治史的に>明治以来~<支配階級>市民文学••<精神史的に>文芸主義•主義中心時代特色•1上代ー貴族•2中古ー貴族•3中世ー武家•4近世ー町人•5近現代ー市民•1上代2中古•ー感情•情中心時代•3中世ー仏法•法中心時代•(無常)•4近世ー儒教•道中心時代•5近現代ー•文芸主義中心時代二、上代文学(一)文学概観•1、上代(古代前期)とは•文学の発生ー平安遷都•五世紀ー794年延暦13年•大和、飛鳥、奈良時代(中心)文学背景1、古代前期飛鳥時代飛鳥時代平城京藤原京文学背景•紀元前3世紀にー小国家•4世紀にー大和朝廷によって統一国家が成立2、国家の成立文学背景•7世紀ー聖徳太子の改革(憲法十七条)•仏教を信じる•天皇に服従すべき•天皇の称号が用いられるようになった3、律令制(りつりょうせい)の確立聖徳太子律令制律令制ー仏教文学背景•7世紀からー遣隋使ー小野妹子が代表•奈良朝に入ってー遣唐使、留学生がおおい•中日両国の交流が盛んになる•奈良文化の特徴ー貴族的文化、唐風4、遣隋使と遣唐使遣隋使(けんずいし)遣唐使の船遣唐使の路線阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)ー中国の李白、王維らと仲良くした万葉仮名(まんようがな)万葉仮名の例万葉仮名の例夜麻登やまと大和(二)口承文学の時代から記載文学時代へ•神話・伝説(こうしょう)•宣命(せんみょう)口承文学•歌謡•祝詞(のりと)•(漢字)(万葉仮名)記載文学の始まり4世紀朝鮮、中国との交流大陸から漢字が伝わってきた漢字が実用化され、6世紀漢字で表記できる(万葉仮名)文学作品も漢字によって記載されるようになった言霊信仰言葉に宿っている不思議な霊威;その力が働いて言葉通りの事象がもたらされると信じられた。言霊信仰(ことだましんこう)•<忌(い)み言葉を例にする>•1.四(し)=死四(よん)•2.九(く)=苦九(きゅう)•3.梨(なし)=無し梨(ありの実)祝詞(のりと)ー祭祀の場合、神様に対する言葉遣い、荘重な表現豊穣を祈る祈年の祭り国家の長久を祈るものなくなった人への祝福宣命(せんみょう)ー天皇から下された濃く文体の言葉、漢字で表記する宣命国家の大事について政治的(実用的)な意図荘重散文化(漢文体のは)詔勅(しょうちょく)上代文学(二)主な文学作品上代文学伝説・神話・歴史ー記紀文学古事記(こじき)日本書紀(にほんしょき)歌謡万葉集(まんようしゅう)漢詩文懐風藻(かいふうそう)地誌風土記(ふどき)日本最古の書籍ー古事記712年太安万侶(おおのやすまろ)によって編集された古事記上巻神代の物語1国土創成2天照大御神(あまてらすおおみかみ)3天孫降臨中巻英雄神話・伝説(神武天皇など)下巻人の世の物語漢文の編年体史書ー日本書紀720年舎人親王(とねりしんのう)などが編集古事記と日本書紀についての比較同貴族文学大衆の文学ではなく、天皇、貴族の文学当時の民衆の生活状況と宗教などがわかり、民俗研究の貴重な資料「まこと」という文学意識(写実)大和民族固有の信仰ー神への崇拝という原始的な信仰写実の文学意識の芽生え異古事記紀伝体日本語で(漢字の音を利用して)主観的な歴史観日本国内天皇中心の律令国家の尊厳を国民に示すため日本書紀編年体漢文で(当時の中国語)忠実で客観的な記述世界的に対外的にも自信を持てるため日本最古の歌集ー万葉集万葉集全20巻4500首約340~759年(450年間)大伴家持(おおとものやかもち)から編纂作者は天皇から庶民までの各階層・多彩な作品相聞そうもん恋愛中心挽歌人の死を紀念する雑歌さまざま東歌あづま東国の民謡防人歌さきもり兵士の歌万葉四期ー衰退期ー理知的、感傷的、繊細優美万葉三期ー最盛期平城京遷都~733年(20年)繊細で洗練されるが、素朴さは失われたー山上憶良・思想歌人万葉二期ー発展期藤原時代~平城京遷都(40年)柿本人麻呂と山部赤人ー歌聖複雑で雄大さ、技巧の運用万葉一期ー発生期壬申の乱まで629~672感動を直接に表現した素朴な風格万葉中最高の歌人ー柿本人麻呂日本最初の地誌ー風土記漢詩集ー懐風藻751年教養懐風藻の序ー全部漢文で日本最初の歌学書ー歌経標式(かきょうひょうしき)772年藤原浜成(ふじわらのはまなり)和歌に対する批評・理論発表のテーマ•1遣唐使の日本に対する影響•2万葉仮名•3日本の神話(記紀文学をめぐって)•4万葉和歌の鑑賞