日本文学史ー近世文学近世という時代区分•江戸幕府開設(徳川家康)から(1603年)~•江戸幕府崩壊(大政奉還)まで(1867年)•約260年間の歴史江戸幕府対内幕藩体制(四民)儒学(朱子学)対外鎖国政策一.時代の背景公家・僧侶・神主・検校・役者、穢多、非人など工(職人)商(商人)町人農(農民)ー百姓士(武士・士族)木版印刷江戸時代の寺子屋(今の塾)教育(寺子屋)科学技術(木版印刷)経済(町人の強い経済力)作者(武士☞町人)作品(手書き☞印刷)読者(教育の広がりと共に)町人文學の繁栄近世文学武士階級の伝統的・古典的な文学(和歌・漢詩文)町人たちの新興文学(分かりやすさ・大衆化草子・俳諧・歌舞伎)近世文学前期・上方(かみがた)中心時代18世紀半ば頃を境に後期・江戸中心時代上方文学京都・大阪中心町人文学元禄期江戸文学江戸中心大衆化・低俗の面も天明と化政期文学中心の移動•京都•大阪西日本•江戸•(東京)東日本二.主なジャンル近世文学小説(草子・井原西鶴)俳諧・川柳(芭蕉)芸能(浄瑠璃・歌舞伎)漢学(朱子学・林羅山)国学(賀茂真淵・本居宣長)近世文学西鶴芭蕉近松(一)近世小説の系譜•近世初期•啓蒙・教訓仮名草子•滑稽•風俗小説浮世草子•知識人作•中国の影響(白話小説)読本江戸中心の小説•江戸風の機知・洒落黄表紙・洒落本•大衆化•(19世紀)滑稽本・人情本・合巻•滑稽明治の劇作文学上方中心仮名草子浮世草子前期読本江戸中心(草双紙)黄表紙・洒落本合巻・滑稽本・人情本1.1仮名草子•近世初期仮名で書いた•橋渡しの役割(過渡的)•啓蒙・教訓・娯楽の目的(教化の手段)•代表作:醒睡笑(せいすいしょう)•安楽庵策伝ー落語の祖1.2浮世草子•世間の現実を直面し、当代の好色風俗と享楽生活を積極的に取り上げる写実的な風俗小説。•真の近世的な小説•代表的な人物:井原西鶴(いはらさいかく)•『好色一代男』、『好色一代女』『好色五人女』好色物•『武道伝来記』『武家義理物語』武家物•『日本永代蔵』『世間胸算用』(せけんむねさんよう)町人物•『西鶴諸国咄(しょこくばなし)』『本朝二十不孝』雑話物西鶴の『好色一代男』•大阪ー天下の台所•元禄期ー日本のルネッサンス•西鶴は日本のバルザック•好色五人女ー自由恋愛を罪と考えられる封建道徳に対する批判•世間胸算用ー町人たちの大晦日を背景にする1.3読本上田秋成の雨月物語怪談短編小説中国の白話小説の影響心の執念と真実超現実の社会2.1洒落本主として遊里を舞台にし、遊女と客の会話を中心にその姿を写実的に描いた小説。山東京伝:『通言総籬』(つうげんそうまがき)『傾城買四十八手』(けいせいがいしじゅうはって)2.2滑稽本(笑い+風刺)十返舎一九(じっぺんしゃいっく):『東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)』式亭三馬(しきていさんば)『浮世風呂(うきよぶろ)』『浮世床(うきよどこ)』2.3人情本一般庶民の男女の恋の縺れを描いた恋愛小説で、泣本とも呼ばれた。女性の読者を対象とした写実的風俗小説と言える。為永春水(ためながしゅんすい)『春色梅児誉美』(しゅんしょくうめごよみ)2.4草双紙(絵説きの小説)赤本黒本・青本黄表紙合巻(二)和歌の発展1俳諧蕉風幽玄・閑寂芸術的・雅俗折衷重厚・平淡談林新奇享楽的自由・奔放貞門滑稽言語遊戯・形式的保守的松尾芭蕉ー奥の細道閑さや岩にしみ入る蝉の声古池や蛙(かわず)飛び込む水の音2.川柳•庶民の間には流行した。口語が主体であり、季語や切れの制限もない。自由な平俗な形式。観察や皮肉が鋭い。•役人の子はにぎにぎをよく覚え(三)劇文学の流れ浄瑠璃歌舞伎女歌舞伎•出雲阿国の歌舞伎踊り若衆歌舞伎•少年の役者野郎歌舞伎•成年の男子元禄歌舞伎•鶴屋南北•河竹黙阿弥(かわたけもくあみ)(四)国学と儒学•<近世歌人の系統>•賀茂真淵(かものまぶち)•本居宣長(もとおりのりなが)朱子学•朱子学ー道徳の実践(存天理,灭人欲)•林羅山(はやしらざん)•荻生徂徠(おぎゅうそらい)まとめ戯作文学朱子学のしばり身分制度の制約近世小説の発展