新日本語概論蔡全胜编著目次序章日本語と国語第1章日本語の音韻第2章日本語の文字と表記第3章日本語の語彙・意味第4章日本語の文法第1節序説第2節文の構造と種類第3節格第4節連用修飾•第5節連体修飾•第6節活用•第7節ヴォイス•第8節テンス•第9節アスペクト•第10節モダリティ第5章談話とテキスト法第6章日本語の文体第7章書き言葉・話し言葉第8章敬語第9章日本語の特色日本人序章日本語•桜漢字さくら平仮名•サクラ片仮名sakuraローマ字•日本語「日本語学」「国語学」第1節日本語学と国語学日本語学•(日本語を自国の言語としての「国語」と見る立場から研究する「国語学」に対して、)日本語を多くの世界言語のうちの一つと見る立場から、その特質を研究する学問体系。•○日本語教育•日本語を母語としない外国人を対象にした日本言語の教育国語学•日本語を言語として研究する学問の総称•原則として、日本語内部における言語事象の研究のみを行い、他言語との対照・比較は視野には入れない。•○閉鎖的なニュアンス「国語学」1948年(昭和23年)に「国語学会」が結成日本語学1938年(昭和13)に提唱者:亀井孝2004年(平成16年)に「日本語学会」に改称日本語学会•日本語学会のホームページへようこそ。日本語学会は,日本語研究の進展を願って,1944年に「国語学会」として設立され,2004年1月に「日本語学会」に改称しました。日本語を研究対象とする研究者,および日本語に関心を抱く人々を会員として運営されています。国語学会から日本語学会へ•2004年1月1日日本語学会初代会長前田富祺(よみよし)•平成16年を迎えるとともに,国語学会は創立60周年となり,いよいよ日本語学会へと名前を改めることになった。この問題については,会員の間にも様々な意見があり,『国語学』の誌上フォーラム,大会シンポジウム,学会ホームページなど意見を求める場を作り,慎重に討議を重ね,理事会,評議員会の意見をまとめ,会員の投票の結果,改称が決まったのである。・・・・・・・国語学日本語学日本語の捉え方日本国で使用されている日本の言語世界の言語の1つ傾向自省的客観的他言語との対照・比較原則として視野には入れない原則として視野に入れる教育国語教育(日本人学習者が主な対象)日本語教育(外国人学習者が主な対象)言語変種研究標準語・中央語偏重変種(方言など)を広く包括第2節日本語人口•約1億28,057,352万(2010年10月1日現在の確定値)人で、•日本国の領土全般に広く行われており、しかも他の言語と競合併存することがない。(本州・四国・九州・北海道・沖縄及びその属島)国連の2011年版「世界人口白書」によると、2011年10月31日に世界人口が70億人に到達したと推計されている順位言語語族公用語話者数1中国語シナ・チベット語族公用語中華人民共和国、中華民国(台湾)、母語話者13億人北方語(マンダリン)8億4,000万人、呉語(上海語など)7,700万人(1984年)、粤語(広東語)5,500万人(1984年)、閩南語4,600万人2英語インド・ヨーロッパ語族-ゲルマン語派公用語イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア母語話者5億1,000万人(2005年WA)3ヒンディー語インド・ヨーロッパ語族-インド・イラン語派公用語インド、フィジー。母語話者4億9,000万人4スペイン語インド・ヨーロッパ語族-イタリック語派公用語アルゼンチン、ボリビア、チリ、コロンビア、コスタリカ、キューバ母語話者4億2,000万人(2005年WA)5アラビア語アフロ・アジア語族-セム語派現代標準アラビア語を公用語とするアルジェリア、バーレーン母語話者2億3,000万人6ベンガル語インド・ヨーロッパ語族-インド・イラン語派公用語バングラデシュ、インド。母語話者2億2,000万人(2005年WA)(チッタゴン語(話者1,400万人、シレット語()話者1,030万人を含む)7ポルトガル語•インド・ヨーロッパ語族-イタリック語派公用語アンゴラ、ブラジル、カーボベルデ、東ティモール、ギニアビサウ、母語話者1億9,000万人(2005年WAアンゴラの人口の60%を含む)8ロシア語インド・ヨーロッパ語族-スラブ語派公用語アブハジア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、ロシア、ウズベキスタン。母語話者1億6,000万人/総話者2億6,000万人9日本語日本語族公用語日本。母語話者1億2,500万人10ドイツ語インド・ヨーロッパ語族-ゲルマン語派公用語オーストリア、ベルギー、ドイツ母語話者1億人第3節共通語と方言•○標準語•「ある民族、共同体、国家、組織、場などで標準となる言語。」•○共通語•「日本における日本語話者の間で、方言の違いを超えて誰でも共通に理解しあえる言語」•1949年(昭和24年)、国立国語研究所が福島県白河市(東北地方の南部、福島県中通りの南部に位置する都市)を調査したところ、東北方言と標準語の中間のような言葉を話す人々がいることが分かり、この言葉なら全国共通に理解しあえるので、これを「全国共通語」、略して「共通語」と名付けたのが最初である。共通語と標準語の違い柴田武による共通語標準語○現実であり、自然の状態である。○ゆるい規範であり、○理想であり、人為的につくられるものである。○きびしい規範である○現実のコミュニケーションの手段である。○その言語の価値を高めるためのものである研究対象による言語学の分野•○統語論(構文論)•文法論の一領域で、文がどのような構造で成り立っているかを明らかにしようとするもの。a.東京駅はここから歩いて5分だb.東京駅はだここから歩いて5分•文→名詞助詞名詞助動詞•○語用論•理論言語学の一分野で、言語表現とそれを用いる使用者や文脈との関係を研究する分野である。運用論ともいう。•○文字論•文字に関する全論考研究角度による言語の分野•歴史言語学•心理言語学•社会言語学•人類言語応用言語学•対照言語学•計量言語学•言語類型論•言語系統論•コンピュータ言語コーパス言語学言語類型論•「世界中の言語の特徴を収集し、それらの相違点、類似点を探ることにより、最終的にすべての言語に普遍的な要素を見つけ出そうとする学問のことである。」•類型論は文法的な特徴に基づくものであり、歴史的系統関係、地理的分布、社会状況などに関する分類は通常、類型論の範疇に含まれない。歴史言語学による系統上の分類は語族と呼ぶが、類型論的分類は類型と呼ぶ。•20世紀前半までの類型論は、アウグスト・シュライヒャーによる屈折語・膠着語・孤立語の3分類に見られるように、世界中の言語をいくつかの類型に分類することを主な目的としていた。現在の類型論を基礎づけたのはジョーゼフ・グリーンバーグである。彼以降、類型論の主要な関心は、部分的な文法現象ごとに多くの言語を比較することで、人間言語に見られる普遍的な性質を見いだすことに移ってきている。•屈折語•語形変化によって文法関係を表す言語。•例:英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語など•膠着語•概念を持つ独立語に機能語が付いて文法関係を表す言語。•例:日本語、朝鮮語、トルコ語、モンゴル語、ウイグル語など•孤立語•主に語順によって文法関係を表す言語。•例:中国語、チベット語など。•抱合語•文レベルの文法関係を一語にまとめる言語•例:エスキモー諸語など•語順による言語分類•グリーンバーグは基本的な語彙の語順による分類を考案した。これは、一般的な他動詞文に必須の3要素を主語(Subject)、目的語(Object)、述語(Verb)とし、その語順により世界の言語を6つに分けるものである。•SOV型:日本語など。世界の言語の約50%•SVO型:英語など。世界の言語の約40%•VSO型:アラビア語など。約10%。•VOS型:トンガ語など。•OVS型ごく一部の言語に見られる。ただし、言語の中には基本語順が定まっていないもの(例えば、SVOとSOVを同じ程度の頻度で取るもの)があり、この分類が完全に有効かどうかについては異論がある。音声学•人間の言語は第一義的に音声言語である。たしかに文字言語は文明の発達や現代人の日常生活に不可欠だが、諸民族の歴史からも、幼児の言語修得からも、音声言語が文字言語に先行しており、より基本的なものであることが分かる。音響音声学(acousticphonetics)聴覚音声学(auditoryphonetics)調音音声学(articulatoryphonetics)発出伝播聴取調音音声学•「さまざまな音声器官を用いて言語音がどのように作り出されるかを見る。」•現代の音声学は19世紀末に学問分野として確立されるが、それはまず調音音声学としてであった。国際音声字母も基本的には調音音声学に基づいている。•音響音声学•「空気の振動、すなわち物理現象としての音声が、どのような性質を持っているかを見る。」•1990年代以降はパーソナルコンピュータ上で音声を録音・再生・編集・保存し、音声分析を行うことが容易になったため、文系の言語研究者にもより身近な分野となっている。ただし、音響音声学をきちんと理解するには、物理学・数学的基礎が必要である聴覚音声学•「音声言語の聴取・認識・理解の側面を見る。」•この分野は観察や測定が困難であることなどから、近年まで比較的立ち遅れており、未知の部分が多い。今後は心理学との連携のもと、脳科学の発展にともない、長足の進歩を遂げることが期待される。第1章日本語の音韻音(おと)自然の音人間関与の音風・雨・波・雷拍手・足踏み舌打ち・泣き声おしゃべり1.「音声」とは•「思想内容を伝達するために音声器官を使って出されるオト(音)」•(叫び、泣き声、いびき、あくびなどの音は、反射音)1人間が音声器官を通じて発する音の総称。おんじょう。2人間が音声器官を通じて、話し言葉として発する音。言語学では、特に音韻と区別して用いる。3テレビなどの音。(デジタル大辞泉による)•①人間が意思を伝達するために口から発す•る音。言語音。•②人の声。おんじょう。•③おと。「テレビから~が消える(大辞林第三版による)•音声器官2音声と音声学•1.単音とは•「音声の連続を分解して得られる最も小さい音の単位。」•母音と子音(音韻論における音素に該当)例:(鏡)かがみ•[k+aŋ+am+i]○音声学的に見て言語音声を構成する最小の単位。[kami]〈紙〉は[k][a][m][i]という四つの単音に分解でき,それぞれが固有の調音的特徴をもつ。(世界大百科事典第2版による)○音声学で、音声の連続を分解して得られる最も小さい音の単位。大別して、母音と子音とに分けられる。音韻論における音素に該当する。(デジタル大辞泉による)○音声学における最小の単位。母音と子音に分かれる。(百科事典マイペディアによる)単音母音[a][i][Ɯ][e][o]半母音:[j][w]子音母音「呼気がほとんど何の妨げもなく発せられる単音」2、母音の三要素舌の前後の位置唇の円めの有無舌の上下の位置舌の上下の位置による分類•○狭(せま)母音(舌の位置高、口の開き小)•○広(ひろ)母音(舌の位置低、口の開き大)•○両者の中間に位置する中母音舌の前後の位置による分類1.前舌母音(前舌面が硬口蓋に近づく)2.中舌母音(中舌面が硬口蓋後部または軟口蓋前後部に近づく)3.後舌母音〈奥舌母音〉(後舌面が軟口蓋に近づく)唇の丸めによる分類1.円唇母音(唇が円められる)2.非円唇母音(唇は円められない)イギリスの音声学者であり、音声教育家であったダニエル・ジョーンズ(DanielJones)が人為的に設定した8箇の「基本母音」丹尼尔·琼斯(DanielJones,1881-1967),英国语言学家。曾任伦敦大学教授,